Honda、次世代燃料電池システムの外販により水素事業を拡大

Honda、次世代燃料電池システムの外販により、水素事業を拡大

2月2日、Hondaは、水素事業の取り組みについて会見を行った。同社は、2050年までにHondaの関わる全ての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラル実現を目指している。同時に、製品だけでなく、企業活動を含めたライフサイクルでの環境負荷ゼロの実現に向けて、「カーボンニュートラル」「クリーンエネルギー」「リソースサーキュレーション」の3つを柱に取り組んでいる。その中でも、水素を電気とともに有望なエネルギーキャリアとして位置づけている。

Hondaは今後、コア技術である燃料電池システムの搭載・適用先を、自社のFCEVだけでなく、社内外のさまざまなアプリケーションに拡大していくことで、水素を「つかう」領域で、社会のカーボンニュートラル化を促進し、水素需要の喚起に貢献していく。

Hondaは、カーボンニュートラル社会の実現に向け、30年以上にわたり水素技術やFCEVの研究・開発に取り組んできた。さらに2013年からは、ゼネラルモーターズ(GM)と次世代燃料電池システムの共同開発に取り組んでいる。

エネルギーを高密度で貯蔵・運搬することができ、短時間で充填可能という水素の特長から、燃料電池システムは、バッテリーでは対応が困難とされる、稼働率の高い大型モビリティや大型インフラの電源、短時間でエネルギー充填が必要なモビリティにおいて、特に高い有用性が見込まれる。また複数基の燃料電池システムを並列接続することで高出力化が可能となる。参入初期は自社のFCEVに、商用車、定置電源、建設機械を加えた4つを主な適用領域として設定し、BtoBの顧客に向けた事業開発も進めている。

燃料電池システムの普及拡大には、水素供給を含めた水素エコシステムの形成が重要である。Hondaはこれまで、国内では日本水素ステーションネットワーク合同会社(JHyM:ジェイハイム)への参画、北米では水素ステーション事業を行うシェル社やFirstElement Fuel社などへの支援を通じて、水素ステーション網の拡充をサポートしてきた。

今後は、新たな領域として、定置電源を中心に、水素の需要があるところを起点とした水素エコシステムの形成や、政府や地方自治体が主催する港湾などでの大量輸入水素を活用したプロジェクトなどにも積極的に参画し、関連する企業各社とのパートナーシップの構築を図っていく。日本では、水素エコシステムの構築に向け、丸紅株式会社と岩谷産業株式会社とともに、水素供給や商用車導入に向けた検討を開始したほか、欧州では、再生可能エネルギーと水素を組み合わせた、エネルギーエコシステムの構築実証を計画している。将来的に宇宙領域での燃料電池技術・高圧水電解技術などの水素技術の活用も視野に入れ研究開発を進める。

【参照ページ】
水素事業の取り組みについて

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