7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める」メッセージを公表した。同メッセージは「2035年GHGs削減66%以上のNDC(次期温室効果ガス削減目標)と、それを実現する第7次エネルギー基本計画を」「今こそ、エネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入加速で、化石燃料からの早期脱却を」を柱としている。
同メッセージは216団体(企業153、自治体5、大学・研究機関6、団体・NGO等52)が賛同している。賛同企業の中には東証プライム上場企業71社を含む、広範な分野で日本を代表する多数の企業が含まれる。また、積極的に気候変動対策を進める企業グループである日本気候リーダーズ・パートナーシップや、エネルギーから経済を考える経営者ネットワーク会など、多様な非政府アクターが賛同している。
メッセージでは、1.5℃目標と整合した取り組みを行うことの必要性を政府に訴えている。具体的には、次期NDCを少なくとも気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が示した、2035年までにGHG削減量を2013年比66%以上にすることを求めている。また、第7次エネルギー基本計画が、エネルギーの需要側や次世代を含む開かれた場で、科学的知見に裏付けられた幅広いレベルでの議論を経て、NDCと一体的に策定されることを強く求めている。
また、化石燃料からの早期脱却の必要性に関しても強く訴えている。メッセージでは、日本が2035年までにGHGを2013年比で66%以上削減するには、G7のメンバーとして約束した、2035年までに電力部門の全て、または大部分の脱炭素化という国際公約の達成が必要であるとし、そのために、第7次エネルギー基本計画では、2035年に向けた石炭火力廃止の明確化と、それを実現するエネルギー効率改善と再生可能エネルギー導入の最大化が不可欠であることを示した。また、COP28での化石燃料からの脱却に向けた取り組みの加速への合意と、G7気候・エネルギー・環境大臣会合での石炭火力の廃止年について2030年代前半とするとの合意にも触れ、2035年までの石炭火力廃止と、2050年に向けたその他の化石燃料の可及的速やかな脱却を日本が果たすべき国際公約と位置づけ、強く必要性を訴えた。
また、様々な科学的根拠に基づく試算を鑑みると、日本には再生可能エネルギー設備容量3倍を実現するに十分なポテンシャルがあり、2035年には電力における再生可能エネルギー割合を65-80%にすることが可能であることを示した。同メッセージを通じ、国際公約を着実に果たすため、すでに利用可能な技術を駆使した建物や製品開発などにおけるエネルギー効率の改善と、日本のポテンシャルを最大限活かした再生可能エネルギー導入の加速化に向けた、早急な基盤づくりを日本政府に強く求めている。
【参照ページ】
(原文)【216団体が賛同】1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本政府に求める