バイオマスレジンホールティングス、バイオマスプラスチック用途の米作りを全国へ展開

高付加価値な新しい農業モデル構築に向けバイオマスプラスチック用途の米作りを全国へ展開

12月1日、“お米×テクノロジー”によるバイオマスプラスチック「ライスレジン®︎」の製造を通し、社会課題解決を目指すバイオマスレジンホールディングスは、ライスレジンの原料となるお米の作付けを全国に拡大することを発表した。

ライスレジンの原料となるお米は、食生活の変化や高齢化に伴い、2022年の主食用米等生産量は675万t と、ピーク時の半分以下 となっている。米の国内生産量の減少に伴い、日本の耕作放棄地は東京都の面積の約2倍まで拡大している。耕作放棄地の拡大は、食料自給率低下の他にも、水源の涵養や土砂流出の防止など里地里山の国土保全機能の低下だけではなく、放置された里地里山は防災上も課題となっている。

これらの社会課題解決に寄与するべく、食用に適さない古米、米菓メーカーなどで発生する破砕米など、 飼料としても処理されず、廃棄されてしまうお米を活用し、バイオマスプラスチックへとアップサイクルしてきた。
加えて、減少の一途を辿る米の生産に歯止めをかけるべく、2019年より3年間にわたり、南魚沼市及び三条市、浪江町、飯館村の耕作放棄地などを活用し、ライスレジンの原料となるお米の作付けにも取り組んできた。現在では、4か所(新潟県2か所、福島県2か所)、約30haにまで拡大している。

今後同社は、栽培効率の向上及び省力化、高付加価値化を目指していくという。今年度は、浪江町の圃場において、単位作付面積あたりの収穫量が一般的な品種と比較して1.5倍となる超多収品種の栽培や、再生二期作栽培 の取り組みを開始した。超多収品種の栽培については、東京農工大学大川教授指導のもと、東京農工大学育成の多用途利用水稲新品種「さくら福姫(農工大系統名:モンスターライス4号)」の栽培に成功した。再生二期作栽培については、農研機構九州沖縄農業研究センターと連携し、1度の田植えで2回の稲の収穫に成功している。その他、IT/IoTを活用しドローン直播や水源管理などの作業効率化だけではなく、メタン抑制や農地炭素貯留などの低炭素農業にも取り組み、多くの成果を上げている。

これまで培った経験・ノウハウを活用し、JAひがしかわ(北海道上川郡)、ライスイズコメディ(滋賀県長浜市)、NPO法人MUKU(兵庫県淡路市)、モスファーム熊本(熊本県八代市)など全国20か所程度と、「ライスレジン®︎」の原料となるお米の作付けについて検討を開始している。3年以内には、全国の水田や遊休地・休耕田などを活用したお米の作付けを300haまで拡大する予定である。

【参照ページ】
高付加価値な新しい農業モデル構築に向けバイオマスプラスチック用途の米作りを全国へ展開

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