11月7日、SAPジャパン株式会社は、オックスフォード・エコノミクスと共同で行った日本企業とサステナビリティ戦略に関する調査結果を発表した。本調査では、日本企業がサステナビリティから価値を得るためには、まだ課題があることが明らかになった。70%の企業がサステナビリティと収益性を同時に実現することは難しいと考えており、現在、サステナビリティ戦略から大きな価値を得ていると回答した企業はわずか6%にとどまった。
本調査結果は、多くの組織において、サステナビリティ戦略と実際の活動に乖離があるためと推察される。日本企業の3分の1以上(68%)がサステナビリティに関する戦略を明確に発信している一方、その戦略が成功裡に実現した場合にリーダーにインセンティブを与えているのはわずか21%で、サステナビリティの取り組みに積極的に参加している従業員は半数以下(48%)にとどまった。
本調査によると、日本企業はサステナビリティの成功に向けた課題として、コンプライアンスを重視しすぎていることを挙げており、事業戦略の再構築がなされていないことに次いで回答数が多かった。
SAPはサステナビリティの成果を向上させるには、組織内のデータを効果的に活用し、より多くのデータに基づいた意思決定を行うことが重要であると指摘した。しかし、78%の日本企業にとって、意思決定のためのデータの有効性が低いことは、中程度の課題であると考えられている。
企業がサステナビリティから価値を得るために、戦略レベルで明確な目標を設定し、テクノロジーとデータマネジメントの変革力を活用し、従業員、サプライチェーンパートナー、政府関係者などの重要なステークホルダーと連携しているなどの取り組みが急務となっている。