日本製鉄、君津工場でシアン流出の未報告発覚

日本製鉄、君津工場でシアン流出の未報告発覚

8月18日、日本製鉄株式会社は6月後半から7月前半にかけて問題視されていた、東日本製鉄所君津地区における排水口からの排水基準を超過するシアンが複数回流出していた問題について、社内調査の結果、過去3年間に複数の報告漏れがあったとことを明らかにした。

6月後半に、コークス炉で発生したガスの洗浄で生じる脱硫液のタンクより3度漏洩が発生した。脱硫液に含有される主な成分はチオシアン酸アンモニウムなどのアンモニア化合物であった。その後の調査によって、 漏洩した排水には排水基準を超えるシアンやT-Nが流出していた。

これを受け、同社では水質汚濁防止法および千葉県条例に基づく水質測定(3ヶ月に1回)のデータを過去5年分、及びその他当社が分析会社に発注した水質測定データを内部調査したところ、複数の報告漏れが発覚した。基準値を超えるシアンは39回検出されていた。

同社は今後、脱硫液のタンクからの漏洩、着色水の構外への流出の原因およびシアンが検出された原因についての調査、排水流出防止措置の強化、東日本製鉄所君津地区の全ての排水口付近や小糸川合流地点の水質分析、周辺環境の観察を行っていく予定だ。

【参照ページ】
東日本製鉄所君津地区における水質測定データの不適切な取り扱いについて
東日本製鉄所君津地区における着色水の構外への流出について

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    2025-4-1

    ESRS開示の実態調査(2024年上半期)から見えた企業が抱える共通課題とは

    CSRD(企業サステナビリティ報告指令)のオムニバス草案が提出され、欧州の開示規則が変わる中、20…
  2. ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    2025-3-31

    ESGフロントライン:潮流を読む~SEC気候開示規則の弁護を放棄ー規制後退の中で問われる企業の姿勢と対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-3-27

    【GPIF発表】「優れた統合報告書」と「改善度の高い統合報告書」選定結果

    3月11日、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株式の運用を委託している運用機関に対…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る