証券監督者のための国際的な政策フォーラムおよび基準設定機関であるIOSCOは、本日、資産運用業界における持続可能性に関連する実務、方針、手続き、情報開示に関する監督者の役割を導くために、規制当局および政策立案者向けの新たな提言を発表した。
今回の提言は、大きな資本の流れが持続可能な投資に向けられ、その結果ESGをテーマにした商品や戦略が大幅に増加していることを受けたものだ。この普及により、投資家のESG投資の選択肢が大きく広がる一方で、一貫性のある比較可能で意思決定に有用な情報の必要性や、資産運用業界の信頼性を損なうグリーンウォッシュのリスクの高まりなど、規制当局が対処すべき課題も生じている。
IOSCOの提言は、資産運用会社が持続可能性に関連する重要なリスクと機会に関する方針・手続き・開示の策定に関する期待、持続可能性に関連する商品とすべての商品における持続可能性リスクの開示、資産運用会社の持続可能性に関連する商品の規制要件への適合性の評価、持続可能な金融用語やESGアプローチに関する共通用語の開発、持続可能性に関連する金融・投資家教育の取り組みの推進など、5つの主要分野に焦点を当てている。
IOSCOによると、各提言分野は、グリーンウォッシングへの取り組み、投資家がESGをテーマにした投資商品やその他の投資商品に関連するサステナビリティの特徴や潜在的なリスクをよりよく理解するための支援、名称を通じてサステナビリティ関連であることを示す商品が、サステナビリティに焦点を当てていることを正確に反映していることの確認に役立つとしている。
スウェーデン金融監督局のトップであり、IOSCOのSustainable Finance Taskforceの議長を務めるErik Thedéen氏は次のように述べている。
「証券監督者としての我々の共通の目的は、投資判断に重要な情報の透明性と開示を確保することにより、投資家を保護し、市場の健全性を支援することである。基礎となるデータを改善することは重要ですが、資産運用会社が持続可能性リスクをリスク管理手順に適切に組み込まない場合や、ファンドのESG特性やパフォーマンスを投資家に誤って説明する場合には、十分ではありません。 したがって、規制・監督上の期待値を設定することは、リスク管理の誤りやグリーンウォッシングに関する問題に対処するための基本となります。本報告書は、資産運用会社が現在の課題に対処することを支援するために、これらの期待事項がどうあるべきかについてのIOSCOの見解を示しています。」