8月30日、EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)は、ESRSセット1のXBRLタクソノミーを公表した。本XBRLタクソノミーは、欧州委員会(EC)がEFRAGに依頼したもので、サステナビリティ報告書をデジタル形式で整理し、各データにタグを付けてわかりやすくするための技術的なルールである。これにより、企業の報告書に含まれる情報をコンピューターが容易に読み取り、処理できるようになる。
ESRS(欧州サステナビリティ報告基準)は、企業のサステナビリティに関する開示を求める新たな基準であり、EFRAGが同基準に基づくデジタルタクソノミーの開発を担当した。これにより、サステナビリティ報告書をXBRLという、コンピューターが自動で読み取って処理できる形式で提供できるようになり、投資家やアナリストが必要な情報を迅速かつ効率的に活用できるようになる。
本タクソノミーは、欧州証券市場庁(ESMA)が規制技術基準を策定する際の基盤となるもので、サステナビリティ報告の標準化と透明性を高める役割を果たす。
EFRAG SRB(サステナビリティ報告ボード)の議長であるパトリック・ド・カンブール氏は、「このタクソノミーがESMAとECに採用されれば、デジタルESG開示の実現に向けた大きなマイルストーンとなる」と述べている。また、EFRAG SR TEG(サステナビリティ報告技術専門家グループ)の議長であるキアラ・デル・プレテ氏も、関係者の支援に感謝しつつ、デジタルサステナビリティ報告の基礎を築く重要なステップであることを強調した。
XBRLタクソノミーは、ESRSに基づく財務情報の使いやすさを向上させ、企業のサステナビリティ情報をより効率的に開示する手段として、今後の意思決定にも大きな影響を与えると期待されている。
【参照ページ】
(原文)EFRAG publishes the ESRS Set 1 XBRL Taxonomy
(日本語参考訳)EFRAG、ESRSセット1のXBRLタクソノミーを公表