3月13日、カナダ持続可能性基準委員会(CSSB) は、IFRS財団の国際持続可能性基準委員 会(ISSB)が最近公表した持続可能性開示基準に基づき、企業が持続可能性と気候関連情報を報告するための新基準案を発表 した。
新基準の公表は、カナダ企業に対する気候関連報告義務導入に向けた重要な一歩となる可能性がある。2021年、ジャスティン・トルドー首相は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に基づく報告制度への移行を閣僚に指示し、2022年、政府は、金融規制当局であるOSFIが、2024年から連邦政府規制の金融機関に対し、TCFDの枠組みに沿った気候情報開示の公表を義務付けると発表した。TCFDは昨年、その責務をIFRSのISSBに移管すると発表した。
ISSBは2021年11月、COP26気候変動会議において発足し、投資家、企業、政府、規制当局からの要望を受け、IFRSサステナビリティ開示基準を開発することを目標としている。
IFRSは2023年6月に、一般的な持続可能性報告基準(IFRS S1)と気候変動報告基準(IFRS S2)を発表し、7月には、証券規制当局のための主要な国際政策フォーラムであり基準設定機関であるIOSCOが、規制当局に対し、持続可能性報告規制の枠組みに基準を組み込むよう呼びかけた。
新たに提案された基準には、CSDS 1とCSDS 2が含まれ、それぞれIFRSのS1とS2に合わせる一方、いくつかの「カナダ特有の修正」を導入している。IFRS基準からの主な変更点としては、発効日を1年延期し、2025年1月1日以降に開始する報告期間から適用すること、また、IFRS基準では1年間の緩和措置が含まれていたScope 3(バリューチェーン)の排出量の開示や、気候関連のリスクと機会に関する開示が、基準適用から2年後に求められるなど、新基準の一部の緩和措置が延長されたことが挙げられる。
CSSBは、新基準案と並行してコンサルテーションを開始し、持続可能性報告と財務報告の時期の整合性、気候レジ エンス報告のためのシナリオ分析などの要求事項、緩和措置の延長提案など、フィードバックの焦点となる主な項目を提示した。
【参照ページ】
(原文)Media Release – Canadian Sustainability Standards Board Announces First Canadian Sustainability Disclosure Standards for Public Consultation
(日本語参考訳)カナダ持続可能性基準委員会、初のカナダ持続可能性開示基準を発表、公開協議へ