ESMA、第2回リスク監視報告書を発表し、ESG投資の減速を指摘

8月29日、欧州証券市場監督局(ESMA)は2024年の第2回リスク監視報告書を発表した。同報告書にてESMAはEUの金融市場に対する主なリスク要因を指摘した。市場は引き続き外部要因の影響を強く受けており、特に金利動向や信用リスクの悪化、政治的ニュースに対して敏感であるため、市場流動性が脆弱な状況で調整リスクが高いとされている。株式市場や企業債券市場においてもリスクが高まっている。

市場ベースの資金調達は安定しているが、株式発行は依然として厳しい状況であり、企業債券発行も減少している。今後、特に低品質の企業債務が懸念されている。また、サステナブルファイナンスでは、ESG投資の減速が見られ、グリーンボンド発行の減少やサステナブルファンドからの資金流出が課題となっている。

暗号資産市場は2024年上半期に急成長し、米国での現物BitcoinとEtherのETP承認により市場価値が上昇したが、8月にはボラティリティが上昇し、評価額が大幅に下落した。

EUのファンド運用は全体的にプラスであり、固定収益ファンドに資金流入が見られたが、信用格付けの悪化に伴い、リスク資産の再評価に対するリスクが高まっている。

【参照ページ】
(原文)Markets increasingly sensitive after strong performance in early 2024
(日本語参考訳)2024年初頭の好調な業績を受けて市場はますます敏感に

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