キリン中央研究所、PETケミカルリサイクルの新技術を開発

12月15日、キリン中央研究所は、PETケミカルリサイクルのための2つの新技術を開発し、特許を出願したと発表した。

  1. アルカリ分解法
    • この技術は、短時間かつ低エネルギーでPETを分解することを可能にするものである。従来の加水分解法、メタノリシス法、グリコリシス法などは、高温・高圧が必要で処理に数時間かかっていたが、アルカリ分解法ではPETとアルカリ成分、アルコールを特定の割合で混ぜ、35℃から55℃という低温で、約15分という短時間でPETを分解できる。これにより、分解処理にかかる時間が従来法と比較して約9割削減されるとされている。
  2. 電気透析法によるPET分解後のモノマー精製工程
    • この技術は、PETの分解後にモノマーを精製する工程において、環境負荷を軽減しコストを削減するものである。共同開発した早稲田大学理工学術院との連携により、従来必要だった化学薬品の使用を大幅に削減し、発生する副産物の廃棄を不要にした。また、電気透析法を使用することで、精製工程中にアルカリ成分を再生でき、これを分解工程で再利用できるようになっている。

これらの技術の導入により、PETケミカルリサイクルの効率が向上し、環境負荷やコストが削減されることが期待される。

【参照ページ】
高効率・環境負荷低減を実現する、PETケミカルリサイクル技術を2件開発

関連記事

おすすめ記事

  1. TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    2025-7-10

    TCFD・IFRS・CSRDの移行計画とは:業界別に考える開示ポイント

    ※本記事は2024年10月の内容にGX-ETSに関する内容を追記し再掲載している。(2025年7月…
  2. TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2025-6-11

    TNFD開示を支援する 主要ツール比較と選定ポイント

    2024年にTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース(Taskforce on Nature-…
  3. 進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    2025-6-6

    進化するサステナビリティ開示 ― 傾向から考える“自社の対応状況”

    サステナビリティ情報開示の高度化が急速に進んでいる。TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)…

ピックアップ記事

  1. SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を

    2025-7-29

    SSBJ公開草案:気候変動開示の準備状況を確認!簡易チェックで早期対応を(再掲)

    ※2024年12月21日公開済みの記事(2024年11月時点の情報を基に作成された)に2025年7…
  2. 2025-7-29

    企業の88%がサステナビリティを価値創出と認識、気候リスクへの備えも加速

    モルガン・スタンレーの「Sustainable Signals: Corporates 2025」…
  3. GHGプロトコルの改訂とは~カーボンニュートラル実現への新たな方向性

    2025-7-28

    GHGプロトコルの改訂とは?カーボンニュートラル実現への新たな方向性(再掲)

    ※本記事は、2025年2月に発行した記事に最新のGHGプロコトル更新内容を一部修正・追記し再掲載し…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る