5月16日、炭素回収・除去技術を提供するSvanteと3Mは、炭素除去ソリューションに使用するCO2を捕捉する材料の開発に向けて協力する、新しいパートナーシップを発表した。
本提携は、3Mのベンチャーキャピタル部門である3M Venturesが、Svanteの3億1800万ドル(約440億円)のシリーズE資金調達ラウンドに参加してから間もない時期に行われた。
炭素の除去は、気候変動に対処するための重要な手段として浮上しているが、大気から炭素を捕捉して貯蔵する技術やソリューションのほとんどは、まだかなり初期の段階にとどまっている。昨年発表されたIPCCの気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオでは、二酸化炭素の除去(CDR)方法が今後数十年の間に年間数十億トンの除去量に拡大されるとされている。
2007年に設立されたSvanteは、産業排出物からCO2を回収・除去する構造化吸着床(フィルター)とモジュール式ロータリーコンタクターを提供しており、排出量の多い産業が既存のインフラから大規模な排出物を回収できるようにすることを目的としている。同社のソリューションは、水素、紙パルプ、石灰、セメント、鉄鋼、アルミニウム、化学などの分野における産業の脱炭素化活動を対象としており、この技術は直接空気回収(DAC)ソリューションにも利用することが可能である。
両社は、パラレルチャンネル構造吸着剤技術を用いたソリューションを中心に、共同開発契約を締結した。これらのソリューションは、二酸化炭素除去(CDR)業界を対象としており、環境から二酸化炭素を効果的かつ効率的に除去する手段を提供することを目的としている。
【参照ページ】
(原文)3M and Svante Announce Joint Development Agreement to Develop and Produce CO2 Removal Products
(日本語訳)3MとSvante社、CO2除去製品の開発・生産に関する共同開発契約を発表