カナダ事業開発銀行、ベンチャー投資家向けESGレポートツールを提供開始

カナダのBDCがベンチャー投資家向けESGレポートツールを提供開始

1月26日、カナダ事業開発銀行(BDC)は、カナダのVCおよび中堅プライベート・エクイティ・ファンドが、自社およびポートフォリオ全体の主要なESG指標を追跡・報告できるよう、新しいESG報告テンプレートを開始することを発表した。

BDCは、カナダの中小企業に対して融資、アドバイザリーサービス、資本を提供している。同社は、カナダのベンチャーキャピタル分野において、より透明性を高め、ESGの開示・報告基準を定着させる必要性について、業界のパートナーや関係者と協議した結果、このフレームワークを開発したと述べている。

BDCは、カナダで投資されている資本の62%を占める独立系VCファンドのリミテッドパートナーであり、カナダのVC市場におけるBDCの幅広い存在感を考えると、この取り組みは市場の大部分をカバーすることになる。

新しいテンプレートは、ベンチャー投資家が、サプライチェーン、データプライバシー、環境問題など、投資ポートフォリオにおける非財務リスクをよりよく理解し、セクターにとらわれないESG指標の基準値について報告し、ポートフォリオ企業の排出量、エネルギー消費、気候政策を記録し、ESG政策と実践について時系列で進捗を確認できることを目的としている。

この新しいテンプレートの導入は、BDCが昨年発表した多様性、公平性、包括性(DEI)をテーマにした報告テンプレートに続くもので、GPが性別、人種、民族、識別に関する多様性と包括性の基準を追跡、報告できるようにすることを目的としている。BDCは、この2つのテンプレートを2024年に統合すると発表している。

【参照ページ】
(原文)BDC Unveils ESG Reporting Tool for Canadian General Partners and their Portfolio
(日本語参考訳)BDC、カナダのジェネラル・パートナーとそのポートフォリオのためのESGレポート・ツールを公開

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