11月11日、COP27において、世界資源研究所とそのパートナーは、気候変動による深刻な経済リスクに対処するための政府の能力強化プログラム「Resilience and Adaptation Mainstreaming Program(RAMP)」を立ち上げた。米国政府は、「適応と回復のための大統領緊急計画(PREPARE)」の一環として、RAMPイニシアティブを支援している。
RAMPは、中低所得国の政府が気候変動の負の影響に対処するための能力構築を支援する。気候変動はすでに各国政府の経済管理、財政管理、債務支払いの能力を脅かしているため、RAMPは財務・経済・計画省に、嵐、干ばつ、海面上昇、生命を脅かす気温上昇の経済的影響を管理する具体的なツールと実践方法を提供している。
RAMPの特徴の一つは、政府との協力に加え、「気候・環境変動に対するマクロ金融の耐性を強化するための大学ネットワーク」を通じて、現地の大学と密接に連携している点である。気候変動に関するカリキュラムの改善、教員研修、応用研究などを通じて大学の能力を高め、大学教員を政府職員の研修に参加させることで、プログラムの効果をより持続可能なものにしている。大学ネットワークとRAMPの中核的な学術カリキュラムの開発は、ロンドン大学SOASの持続可能な金融センターが主導し、世界各地から10の大学が設立されている。また、RAMPは、世界銀行、IMF、UNDP、NDCパートナーシップ、気候変動対策財務大臣連合などの技術パートナーとも密接に連携している。
RAMPは初年度、アフリカ数カ国の財務省や大学への支援を展開する予定である。パイロット国として、ガーナ、ケニア、ナイジェリア、ルワンダ、タンザニア、ウガンダが候補に挙がっている。世界中の中央省庁が気候の影響に対処する能力を向上させる必要性が高まっていることから、RAMPは今後数年のうちに世界の他の地域にも拡大される予定だ。
【参照ページ】
(原文)WRI Launches Program to Help Governments Mainstream Climate Adaptation, with Support from U.S. Government
(日本語訳)WRI、米国政府の支援を受け、各国政府の気候変動への適応を主流化するためのプログラムを開始