日米中心の国際パートナーズグループ、インドネシアのクリーンエネルギー移行を支援する資金調達に合意

日米中心の国際パートナーズグループ、インドネシアのクリーンエネルギー移行を支援する資金調達に合意

11月15日、日米を中心とする国際パートナーズグループ(IPG)は、インドネシアの電力セクターのクリーンエネルギーへの転換を加速・支援し、その資金として数百億ドルを動員することを目的とした、インドネシアとの「公正なエネルギー転換パートナーシップ(JETP)」の開始を発表した。

バリでのG20サミットで発表されたこの合意には、3年から5年の間に200億ドル(約2.8兆円)を動員することが含まれている。その半分はカナダ、デンマーク、EU、フランス、ドイツ、イタリア、ノルウェー、イギリスも参加するIPGの公的部門からの拠出となる。残り半分は、バンク・オブ・アメリカ、シティ、ドイツ銀行、HSBC、マッコーリー、MUFG、スタンダードチャータードなどの金融機関を含むGlasgow Financial Alliance for Net Zero (GFANZ) Working Groupによって推進される予定である。

本協定の一環として、インドネシアは、2030年までに電力部門の排出量をピークアウトさせ、その年の排出量を290メガトンに抑えること、2050年の電力部門のネット・ゼロ目標を設定すること、2030年までに発電構成における再生可能エネルギーの割合を34%にすることなど、一連の気候目標を約束する予定である。

IEAが発表した報告書によると、この目標を達成するためには、現在インドネシアの発電量の60%以上を占めている石炭からの急速な移行が必要となる。

また、インドネシアは重量ベースで世界最大の石炭輸出国でもある。

JETPモデルは、昨年のCOP26気候変動枠組条約締約国会議において創設され、途上国がクリーンエネルギーへの転換に必要なインフラや投資のギャップを埋めるための支援に加え、公正なエネルギー転換の達成を重視している。本合意では、IPG諸国は、インドネシアが目標を達成するための投資計画や、移行に影響を受けるコミュニティを支援する政策を策定することを支援する予定である。

【参照ページ】
Joint Statement by the Government of the Republic of Indonesia and International Partners Group members on the Indonesia Just Energy Transition Plan

関連記事

“導入事例へのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  2. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…
  3. 2024-3-26

    【さくっと読める】ESGスコアとは。基本的知識を解説。

    今月から、サスティナビリティ情報開示で関心の高いテーマについて、さくっと読める解説コラムを発行して…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

アーカイブ

ページ上部へ戻る