5月23日、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のジョセフ・バイデン米国大統領と日米首脳会談を行った。会談では、安全保障以外に強靭・持続可能・包摂的な経済成長と地球規模課題・人間の安全保障などのESGに関連した合意もされた。
岸田首相とバイデン大統領は、輸入石油への依存を減らすため、2030年までに持続可能な航空燃料やオンロード燃料を含むバイオエタノールの需要を倍増させるために、あらゆる手段を講じるとした日本のコミットメントを歓迎した。また、重要な鉱物のサプライチェーンを強化し、環境、社会、ガバナンスの基準を向上させる必要性を共有した。
両首相は、気候変動がもたらす危機を認識し、2020年代を気候変動対策のための決定的な10年とすることに合意した。両者は、パリ協定の下での2030年の野心的な国別貢献と2050年のネットゼロエミッション目標の実施により、今日のエネルギー需要を満たすと同時に、長期的なエネルギー安全保障に取り組む意向を確認した。これらの目標に資するため、両首脳は、日米気候パートナーシップの下での協力を強化する。
カーボン・フリーの電力及びプロセス熱の重要かつ信頼できる供給源としての原子力の重要性を認識した。このため両首脳は、原子力エネルギー協力を拡大し,輸出促進及び能力強化の手段を共同で用いることにより、改良型及び小型モジュール原子炉の開発及び世界への展開を加速させる。既存及び新規の原子炉の双方に対し、ウラン燃料を含む、より強靭な原子力サプライチェーンを構築するための協力関係も確認された。
パンデミック下でのジェンダー平等の推進に関しては、これまで以上に重要になっていることを認識し、性自認にかかわらずすべての人々がその可能性を最大限に発揮できるようにすることは、道徳的かつ戦略的に必須であり、社会と経済のあらゆる側面にとって極めて重要であるとの視点で一致した。両首脳はまた、紛争に関連した性的暴力を含む、ジェンダーに基づく暴力の防止と対処の重要性を強調した。
未来志向の日米関係の構築に向けて、日本と米国は、2大民主主義経済国として、民主主義の価値、規範、原則を支持し、平和、繁栄、自由が確保された未来へのビジョンを推進する独自の義務を負っている。岸田総理大臣とバイデン大統領は、共にこの責任を受け入れている。また、2023年に日本がG7の議長国となり、米国がAPECを開催することに触れ、この共通のビジョンを推進するために、同じ考えを持つパートナーとの連携を構築することの重要性を確認した。
【参照ページ】
(原文)
Japan-U.S. Joint Leaders’ Statement: Strengthening the Free and Open International Order
(日本語訳)
日米共同首脳声明 自由で開かれた国際秩序の強化
日米首脳会談