4月18日、 ENEOS株式会社と、三菱商事株式会社は、日本における持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel 以下「SAF」)などの次世代燃料の事業化に向けた共同検討を行うことに合意した。 ENEOSは、4月14日にENEOS根岸製油所(神奈川県横浜市)において、SAFの製造に関する事業化調査(フィージビリティスタディ)を共同で実施すると発表している。
両社は、ENEOSが有する製造技術および販売網と三菱商事が有する国内外の原料調達およびマーケティングに関する知見を活用しながら、各種SAF製造技術の成熟度や商業化までの時間軸に応じた基本戦略を作成し、以下の3項目の取り組みを推進する。これら3つの取り組みによって、業界横断的な取り組みが必要とされるSAFの早期事業化を目指す。
(1)持続可能性に配慮されたバイオ原料開発事業
(2)新技術を活用したSAF製造事業
(3)SAFを中心とした次世代燃料サプライチェーンの構築
ENEOSが有する製造技術には、トタルエナジーズが持つSAFの原料調達・製造技術に関するノウハウが持ち込まれる形で事業が進められている。
航空業界では、 2027年に始まる国際航空のためのカーボン・オフセット及び削減スキームであるCORSIA実現に向け、欧米を中心にSAFの導入が進むなど、今後、SAFの世界的な市場規模は拡大が予測される。また、日本政府は、 2030年までに本邦エアラインのジェット燃料使用量の10%を SAFに置き換える目標を掲げており、日本におけるSAF供給体制の構築が課題である。
また、ENEOSは14日にENEOS株式会社と株式会社野村事務所とともにSAFの原料である廃食油の調達に関する検討を共同で実施することも発表している。両社は、廃食油回収・リサイクル事業者である株式会社吉川油脂や、一般油脂・機能性油脂を取り扱う専門商社であるHMLP株式会社等と連携し、日本各地から廃食油を安定的に調達する仕組みの構築を目指す予定である。
【参照ページ】
ENEOS根岸製油所における持続可能な航空燃料の製造に関する事業化調査について
日本における持続可能な航空燃料の原料調達に関する共同検討について
持続可能な航空燃料(SAF)の社会実装に向けた事業化検討について