キリンとウエルシア、ペットボトルのマテリアルリサイクルに関する実証実験を開始

 

3月23日、キリンホールディングス株式会社とキリンビバレッジ株式会社、およびウエルシア薬局株式会社は、「ボトルtoボトル」のリサイクルモデルの確立に向けた、使用済みペットボトル容器回収の実証実験の開始を発表した。本実証実験は、6月より埼玉県内のウエルシア約190店舖で順次実施する。

本実証実験は、ウエルシアが店頭に設置した回収ボックスで使用済みペットボトルの回収・分別し、これをキリンビバレッジが、リサイクラーに供給した上で再原料化・再生PETを使用した容器の飲料の製造まで一連のリサイクル工程を管理する。

ウエルシアの店頭に設置した回収ボックスで集められたペットボトルは、協力会社である株式会社アラインのオンラインシステム上で、店舗ごとの回収量およびリサイクラーへの搬入量をリアルタイムに可視化され、一旦ウエルシアの物流拠点へ集められたのち、リサイクラーの遠東石塚グリーンペット株式会社へ搬入される。その後、再生PET原料を製造する工場にて粉砕・洗浄などの工程を経て、ペットボトルの原料として再原料化される。

日本においては、使用済みペットボトルは回収された後、用途を指定せずに売却されることが多いため、ペットボトルからペットボトルへ再生される(ボトルtoボトル)割合が低いことが課題である。また、回収される廃ペットボトルの一部にはゴミなどの異物が混在していることも「ボトルtoボトル」を阻害する要因ともなっており、リサイクルに適した廃ペットボトルを安定的に確保することが困難である。

キリングループとウエルシアは、プラスチックが循環し続ける社会を目指し、回収した使用済みペットボトルの用途を、確実にペットボトルへの再生に活用するリサイクルモデルを確立することで、「ボトルtoボトル」に向けた社会インフラの拡充を目指す。

「ボトルtoボトル」に伴うコスト面の課題に対し、ウエルシアは店舗から物流センターまでの収集を商品配荷の帰り便トラックを活用して効率化することで、回収~運搬~再生に関わるコストを可能な限り抑えて飲料メーカーに受け渡すなど、将来的な取り組みの拡大も見据え、独自の発想で本件を推進する。

キリングループとウエルシアは、本取り組みにおいて、消費者とともに持続的に資源が循環し続ける社会を目指す。

【参照ページ】
キリンとウエルシア、ペットボトルに関する実証実験を開始

関連記事

“イベントへのリンク"

おすすめ記事

  1. 2024-4-16

    SSBJ公開草案の重要ポイント解説:今後の気候変動の情報開示はどう動くか

    2024年3月29日、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が国内のサステナビリティ開示基準の草案…
  2. 2024-4-9

    SBTN(Science-Based Targets for Nature)とは。企業のネイチャーポジティブ経営を実現する目標設定の方法論を解説。

    TNFDのフレームワークが公開され、先進企業ではフレームワークに基づく情報開示が進みつつある(20…
  3. 2024-4-2

    【さくっと読める】TNFDの開示とは。重要ポイントを抽出。

    2023年9月、TNFDのフレームワークが完成し公開された。2023年時点でTNFDに基づく開示を…

ピックアップ記事

  1. アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    2024-4-25

    アップルのサプライチェーンの95%、2030年までに100%再生可能エネルギー使用を約束

    4月17日、アップルは、バリューチェーンの脱炭素化という目標に向けて大きく前進していることを発表し…
  2. 2024-4-24

    ダウとP&G、プラスチック・リサイクル技術の共同開発契約を締結

    3月25日、 米国の化学世界大手であるダウと消費財業界大手のP&Gは、プラスチック・リサ…
  3. 2024-4-24

    住商グループとパートナー企業、太陽光発電パネルの再利用・リサイクル実証実験に着手

    3月28日、住友商事、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)、SMFLみらいパートナーズ…

ページ上部へ戻る