3月16日、英政府は新たな長期環境目標を発表した。本目標案は、昨年11月に成立した政府の環境法の根幹をなすものである。
提案された目標は、水、大気の質、野生生物の多様性をカバーしており、以下のようなものがある。
- 水路の栄養塩汚染や廃坑による汚染を減らし、水の利用効率を向上させることにより、河川の健全性を改善すること
- 人間の健康に最も有害な大気汚染物質であるPM2.5への曝露を2018年比で3分の1以上削減する目標を通じ、大気をきれいにすること
- 2030年までに種の豊富さに関する法的拘束力のある目標を設定し、2042年までに種の個体数を10%増加させることを義務付けることで、野生生物の減少に歯止めをかけること
その他の目標としては、2042年までに埋め立てや焼却に終わる廃棄物を半減すること、2050年までに総樹木被覆率を3%増加すること、2042年までに海洋保護区域の状態を大幅に改善することなどが挙げられる。
水質に関する新しいターゲットは、水環境に対する最も大きな圧力に取り組み、イングランドの河川を浄化し、水枠組み指令の下でのより広い野心と、きれいで豊かな水のための25年環境計画を支えるために、最も深刻な課題を解決するのに役立つ。
大気汚染物質PM2.5の削減目標は、国全体および最もレベルの高い場所で最も有害な大気質への曝露を減らすものであり、許容レベルの50%削減は、これまでのEUの目標をはるかに上回っている。
英政府は、今後8週間の協議期間において新目標に対する環境保護団体・地方自治体・利害関係者の意見を求める予定だ。
【参照ページ】
(原文)Delivering on the Environment Act: new targets announced and ambitious plans for nature recovery
(日本語訳)英政府、新長期環境目標と自然回復のための野心的な計画を発表