CDSB、生物多様性に関する新レポート「Biodiversity Application Guidance」を発行
11月30日、CDSB(気候変動開示基準委員会)は新たな「Biodiversity Application Guidance」を発行した。生物多様性に関しては、すでに多くの機関からガイドラインやガイダンスが発行されており、CDSBは他のガイダンスを俯瞰する形で、今回のガイダンスを策定した。
Biodiversity Application Guidanceは、一連のCDSBフレームワークアプリケーションガイダンスの一部であり、TCFDの勧告とその中核的要素を自然界に拡張することを目的としている。生物多様性が人間の生活を支える重要な下支え的役割を担っていることは、ますます認識されており、また生物多様性への脅威はビジネスに重大かつ広範な影響を与える可能性が高い。
CDSBが最近行った欧州の報告慣行に関する調査では、欧州大企業の半数以下の報告書においてのみ生物多様性が言及されおり、決定的なギャップがあることが示されている。また、ステークホルダーや専門家との協議では、必要なのは報告書への記載だけではなく生物多様性に関する記載事項の進化であることが示唆されている。
生物多様性関連開示のためのBiodiversity Application Guidance は、生物多様性が組織の戦略、財務実績、状況にもたらすリスクと機会に関する重要情報を、企業が主要報告書内で開示することを支援するためにCDSBが作成した。これは、投資家に環境と気候変動情報を報告するためのCDSBフレームワーク(CDSB Framework)を補完するために設計されている。
Biodiversity Application Guidanceの目的は、主要な報告書の利用者が生物多様性に関する重要な財務情報を評価できるように、組織が高品質の開示を準備するのを支援することである。また、投資家が効果的な資本配分のために必要な生物多様性関連情報を確実に受け取ることで、持続可能で強靭な経済への移行を促進することを支援することを目的としている。利用対象者は、単一企業や企業グループなどの組織、および財務、ガバナンス、持続可能性報告の責任者である。
【参照ページ】
(原文)CDSB launches new Biodiversity application guidance
(日本語訳)CDSB、生物多様性に関する新レポート「Biodiversity Application Guidance」を発行