12月3日、British AirwaysとPhillips 66は、従来のジェット燃料に比べてライフサイクルでの排出量を80%以上削減できる英国産の持続可能な航空燃料(SAF)の供給について、新たに複数年の契約を締結したことを発表した。
航空輸送は、世界のGHG排出量の2%を占めると推定されており、GHG排出量の大きな要因として近年ますます注目されている。SAFは、従来のジェット燃料に比べてライフサイクルでの炭素排出量が大幅に少ないため、市場関係者の間では、航空業界が気候変動の影響に対処するための重要なツールの1つと考えられている。SAFは一般的に、化石燃料ではなく、廃油や農業残渣などの持続可能な資源、あるいは空気中から回収した炭素を原料として製造される。
2050年までにCO2排出量をゼロにすることを目指しているBritish Airwaysは、今回の合意により、ロンドン-ニューヨーク間のCO2排出量ゼロのフライト700便分に相当する約10万トンのCO2排出量を削減するのに十分な量のSAFを購入するとしている。また、同航空会社の親会社であるInternational Airlines Groupは、今後20年間で4億ドルをSAFの開発に投資する。
SAFは、イミンガム近郊にあるPhillips 66ハンバー・リファイナリーで製造される。この燃料は、持続可能な廃棄物を原料として生産され、英国の空港に直接供給される既存のパイプライン・インフラを経由して、2022年初頭にBritish Airwaysに供給される予定である。
Phillips 66社は、過去1年間に、製油所の操業および製品の炭素強度を低減するための広範なエネルギー移行計画の一環として、廃棄物原料からの燃料生産を拡大するために多額の投資を行ってきた。
【参照ページ】
(原文)BRITISH AIRWAYS AND PHILLIPS 66 AGREE FIRST EVER UK PRODUCED SUSTAINABLE AVIATION FUEL SUPPLY
(日本語訳)ブリティッシュ・エアウェイズとフィリップス66は、英国で初めて持続可能な航空燃料供給に同意