
10月7日、レゴグループは、自社工場での天然ガス使用を段階的に廃止し、再生可能エネルギーへの転換を発表した。同社は「Zero Impact in Operations(事業活動におけるゼロ・インパクト)」を掲げ、スコープ1・2排出削減を加速させる中、特に天然ガス由来の排出削減に注力している。2023年には天然ガスによる排出量だけで16,000トンのCO2を計上しており、エネルギー転換が重要な課題となっていた。
ハンガリー・ニーレジハーザ工場では、地下2km以上の深さにある84℃の地熱水を活用する計画を進めており、2028年には天然ガスに依存しない加熱システムの完全稼働を目指す。システムはクローズドループ方式を採用し、使用した水を再び地中に戻すことで環境負荷を最小限に抑える設計だ。
デンマーク・ビルン工場では、2024年に地域熱供給(昨年時点で92%が再生可能エネルギー)への切り替えを完了し、年間1,064トンのCO2削減を達成。また、中国・嘉興工場ではチラー(冷却装置)から発生する熱を再利用するシステムを導入し、天然ガス使用量を50%削減することに成功した。この仕組みは現在、工場全体に拡張されつつある。
レゴグループは今後も各拠点に合わせた創造的な技術導入を進め、オペレーション全体の脱炭素化を図る方針だ。これらの取り組みは、持続可能な未来を子どもたちに残すという同社の理念を具体化する重要な一歩といえる。
(原文)Creative solutions to phase out natural gas in LEGO® factories