CropX、Acclymを買収し企業向け農業サステナビリティ支援を強化

9月2日、デジタル農業ソリューションの世界的リーダーであるCropX Technologiesは、Acclym(旧Agritask)を買収したと発表した。Acclymは15年にわたり大手食品・飲料ブランドの農業サステナビリティ目標達成を支援してきた企業向け農業インテリジェンス企業であり、今回の取引はCropXにとって7件目の戦略的買収となる。過去には2024年に窒素センサー開発のEnGeniousAg、2023年にオーストラリアのGreen Brainを買収している。

Acclymの技術は、企業の食品・飲料リーダーに対し、世界中の農業サプライチェーンのパフォーマンスと持続可能性を監視・検証・改善する意思決定基盤を提供している。CropXはこの能力を自社の農業経営管理システムに統合し、事業向けサービスを拡充するとともに、サステナビリティ、再生型農業、気候スマートなサプライチェーンといった新たな高付加価値ユースケースを開拓する計画である。

AcclymはLiechtenstein Group、Bridges Israel、Smart Agro Fundなどから4,200万ドルのベンチャー資金を調達し、世界中の数百万ヘクタールに導入されている。そのソリューションは農場レベルのデータと経営層の戦略をつなぎ、複雑な農業データを調達・サステナビリティ・ESGリーダー向けの実行可能なインサイトに変換する役割を果たしている。

食品・飲料業界はサステナビリティや再生型農業目標の達成圧力が高まる中、複雑かつ分散したサプライチェーンの管理には信頼できる現場データが不可欠であり、拡張性と検証可能性を備えた農業ソリューションの重要性が増している。今回の買収によりCropXは、個々の農家や農学者に加え、多国籍企業がリスク管理やESG成果の追跡、再生型農業投資を行う上で信頼できる「デジタル基盤」としての地位をさらに強化していくとした。

(原文)CropX Acquires Acclym (formerly Agritask) to Power Enterprise-Scale Sustainable Food Systems
(日本語参考訳)CropX、企業規模の持続可能な食品システムを強化すべくAcclym(旧Agritask)を買収

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