
9月10日、米大手資産運用会社バンガードは、個人投資家が投資信託を通じて企業の議決権行使に参加できる「インベスター・チョイス」プログラムの最新データを公表した。2025年の株主総会シーズンにおいて、参加者数と投票方針の多様化が大きく拡大したことが明らかになった。
「インベスター・チョイス」は2023年初頭に開始され、バンガードの一部インデックスファンドに組み込まれた企業の議決権を個人投資家が直接行使できる仕組みである。現在は12本の株式インデックスファンド(総額1兆ドル超)を対象とする、世界最大規模の個人投資家向け議決権選択プログラムとなっている。
2025年には8万2,000人超の投資家が参加し、前年の2倍以上となった。投票方針の選択は分散化が進み、どの方針も35%を超えなかった。また、全体の65%がバンガード推奨方針以外を選択し、ESG方針を選んだ割合は18%に低下した一方、バンガードESG米国株ETFの投資家では8割がESG方針を選択するなど、商品特性による差も顕著に表れた。
世代間・性別でも違いが見られ、44歳以下の投資家は42%がESG方針を選んだのに対し、45歳以上は17%にとどまった。女性投資家の28%がESG方針を支持した一方、男性は16%に留まり、資産集中型の方針を選ぶ傾向が強かった。
2024年からはこの制度を退職年金制度のプランスポンサー向けにも拡大しており、2025年には10万人以上の参加者を抱える企業が加わった。バンガードは今後も全米の株式インデックスファンド投資家に対象を広げ、コーポレート・ガバナンスにおける投資家の発言力強化を目指す。
(原文)Vanguard More Than Doubles Participation in Investor Choice
(日本語参考訳)バンガード、インベスター・チョイスへの参加が2倍以上に増加