UL Solutions、PFASやスコープ3排出量管理を効率化

7月9日、応用安全科学のグローバルリーダーであるULソリューションズは本日、企業のコンプライアンス遵守とサステナビリティ目標の達成を支援するソフトウェアプラットフォーム「ULTRUS(アルタス)」の複数の新機能を発表した。

今回の機能拡充は、通称「永遠の化学物質」として知られるPFAS(有機フッ素化合物)への対応や、サプライチェーンにおけるScope3(スコープ3)排出量の算定、AIを活用した風力発電所の計画支援など、企業が直面する喫緊の課題に対応するものである。

ULソリューションズのソフトウェア・アドバイザリー担当上級副社長、ジョン・ジェノヴェージ氏は、「進化する顧客のニーズの先を行く強力な新機能だ。複雑化する規制要件への対応や、サプライチェーンの透明性確保、サステナビリティへの具体的な取り組みを支援する」と述べた。

主な新機能は以下の通り。

  • PFAS対応の強化: 小売業者向けソフトウェア「WERCSmart®」を強化。小売業者が店頭製品に含まれるPFASを特定し、メーカーから関連書類を収集することで、製品の安全な取り扱いや環境保護を支援する。
  • Scope3排出量管理の簡素化: サステナビリティ・ESG管理プラットフォーム「UL 360」に、Scope3カテゴリ1(購入した製品・サービス)の排出量データ管理と報告を効率化する新モジュールを追加した。
  • ISSB開示への対応: 「UL 360」のESG開示モジュールを更新。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の要件に沿ったデータ管理を可能にし、開示情報の信頼性を高める。
  • AIによる風力発電計画支援: 風力エネルギー専門家向けソフトウェア「Windnavigator」にAIを活用したマッピング機能を導入。風力発電所の候補地選定と初期計画を容易にし、情報に基づいた意思決定を促進する。
  • AIによる学習コンテンツ生成: 研修・開発ソフトウェア「LearnShare™」に、大規模言語モデルを利用したAI機能を搭載。研修用のクイズや文字起こしなどを迅速に作成できる。

ULソリューションズは、昨年立ち上げたULTRUSプラットフォームを通じて、従来の試験・検査・認証サービスを補完するソフトウェアソリューションを提供しており、今後も顧客の持続可能な成長を多角的に支援していくとしている。

(原文)UL Solutions Expands Software Platform for Business Growth and Sustainable Practices with the Latest ULTRUS™ Software Releases
(日本語参考訳)UL Solutionsは、最新のULTRUS™ソフトウェアのリリースにより、ビジネス成長と持続可能な実践を支援するソフトウェアプラットフォームを拡大しています。

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