
4月23日、米州開発銀行(IDB)、IDBインベスト、およびIFRS財団は、ラテンアメリカおよびカリブ諸国におけるIFRSサステナビリティ開示基準(IFRS Sustainability Disclosure Standards)の普及と導入を促進するため、戦略的パートナーシップを公式に締結した。
本合意は、同地域の各国においてIFRSサステナビリティ開示基準の採用を加速させ、民間部門による基準実装を支援することを目的とする。知見共有、能力構築、政策対話を柱としたアクションプランを起点に、多角的な支援を展開していく。
IFRSサステナビリティ開示基準は、国際サステナビリティ基準委員会(ISSB)によって策定されたもので、資本市場向けにサステナビリティ関連リスクと機会に関する情報開示のグローバル共通土台を提供する。特に投資家目線の情報整備が強調されている。
IDBのイラン・ゴールドファイン総裁は「IFRS基準は発行体・投資家・規制当局三者にとって意思決定やインセンティブの整合に資するとともに、透明性が信頼を創出する。今回のパートナーシップは、地域全体で導入を加速し、実装プロセスを支援するものだ」とコメントしている。
IFRS財団のミシェル・マドラン常務理事も「ラテンアメリカおよびカリブ地域の公的機関は、IFRSサステナビリティ開示基準が資本市場の強化と透明性促進に役立つとの認識を示している。今回のIDBグループとの協力により、効果的なサステナビリティ開示の潜在力をこの地域にもたらす支援を行っていく」と述べた。
今回の覚書締結は、同地域でIFRSサステナビリティ開示基準採用機運が高まる中で実現した。取り組みは主に三つの領域に焦点を当てる。第一に「知見共有」として、導入のメリットをまとめた政策ペーパーの作成や、民間銀行向けの自己評価ツールの開発、地域事例の発信を行う。第二に「能力構築」として、IDBを通じた規制当局支援、IDBインベストによる民間機関支援で開示能力を強化する。第三に「アドボカシー・政策対話」として、各国の導入・運用支援のため技術的助言や政策対話を行う。
今後、IDB、IDBインベスト、IFRS財団は公共・民間双方の関係者と連携しつつ、現地のニーズに即した能力強化、規制の調和、基準導入促進に取り組む。IDB自身も、移行計画に沿ってサステナビリティ情報開示のIFRS基準適合を進める方針を明らかにした。
(原文)IDB and IFRS Foundation promote adoption of Sustainability Disclosure Standards
(日本語参考訳)IDBとIFRS財団がサステナビリティ開示基準の採用を推進