EUタクソノミーの導入支援のため「よくある質問」を発表

11月29日、欧州委員会は、EUタクソノミーの導入を行う関係者を支援するため、よくある質問(FAQ)を発表した。持続可能な経済活動のための分類システムである、EUタクソノミーをより使いやすくすることを目的とした今回の公表は、欧州委員会の簡素化計画の一環であり、EUのサステナブルファイナンスの枠組みを適用する企業の事務負担を軽減する取り組みの一環である。

FAQは、EUのタクソノミーの様々な要素に関する技術的な説明を提供している。特に、タクソノミーの一般的な要求事項の適用や、タクソノミーの気候および環境に関する委任法に含まれる特定の活動に関する技術的な審査基準について取り上げている。また、タクソノミー規則で定められた環境目標のひとつに貢献する経済活動が、他の環境目標のいずれにも重大な害を及ぼさないことを保証する、一般的な「重大な害を及ぼさない」(DNSH, Do No Significant Harm)基準についても触れている。さらにFAQは、気候委任法および環境委任法の対象となる活動の報告義務を明確にしている。

EUタクソノミーは、EUのサステナブルファイナンスの枠組みの基礎であり、市場の透明性を高める重要なツールである。また、欧州グリーンディールの目標に沿って、移行に最も必要な経済活動に投資を誘導するのに役立つ。

【参照ページ】
(原文)Commission provides further clarifications on the EU taxonomy for sustainable economic activities
(日本語参考訳)欧州委員会、持続可能な経済活動に関するEU分類法についてさらに説明

関連記事

“ランキングのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2025-1-17

    ESGフロントライン:潮流を読む~NZBA脱退が加速、日本への影響と今後の対応

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  2. 2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025-1-15

    2025年の注目トレンド予測:サプライチェーンと保証制度が企業戦略の中心に

    2025年は企業にとって「サステナビリティへの対応」の本番時期を迎える。EUのCSRD、国内ではS…
  3. 2025-1-10

    英ASA、ロイズ銀行の誤解を招く持続可能性広告を違反認定

    12月18日、英国広告基準局(ASA)は、ロイズ銀行の持続可能性をテーマにした広告4件について調査…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る