EUタクソノミーの導入支援のため「よくある質問」を発表

11月29日、欧州委員会は、EUタクソノミーの導入を行う関係者を支援するため、よくある質問(FAQ)を発表した。持続可能な経済活動のための分類システムである、EUタクソノミーをより使いやすくすることを目的とした今回の公表は、欧州委員会の簡素化計画の一環であり、EUのサステナブルファイナンスの枠組みを適用する企業の事務負担を軽減する取り組みの一環である。

FAQは、EUのタクソノミーの様々な要素に関する技術的な説明を提供している。特に、タクソノミーの一般的な要求事項の適用や、タクソノミーの気候および環境に関する委任法に含まれる特定の活動に関する技術的な審査基準について取り上げている。また、タクソノミー規則で定められた環境目標のひとつに貢献する経済活動が、他の環境目標のいずれにも重大な害を及ぼさないことを保証する、一般的な「重大な害を及ぼさない」(DNSH, Do No Significant Harm)基準についても触れている。さらにFAQは、気候委任法および環境委任法の対象となる活動の報告義務を明確にしている。

EUタクソノミーは、EUのサステナブルファイナンスの枠組みの基礎であり、市場の透明性を高める重要なツールである。また、欧州グリーンディールの目標に沿って、移行に最も必要な経済活動に投資を誘導するのに役立つ。

【参照ページ】
(原文)Commission provides further clarifications on the EU taxonomy for sustainable economic activities
(日本語参考訳)欧州委員会、持続可能な経済活動に関するEU分類法についてさらに説明

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る