10月22日、ニューヨーク市会計監査官ブラッド・ランダー氏は、市の公的年金基金による中流および下流の化石燃料インフラへの投資を今後停止する方針を提案し、持続可能な投資への移行を強化する姿勢を示した。新たな方針は、年金制度の管理委員会が承認すれば、市の年金基金における民間市場投資での化石燃料関連インフラからの全面的なダイベストメントが実現される。
本提案は、2018年の化石燃料保有企業からの株式売却および2023年の上流化石燃料投資からの撤退を受けてのもので、今回新たにパイプラインやLNGターミナルなどの中流および下流インフラへの投資を将来にわたり禁止することが含まれる。
ランダー氏は、「気候変動リスクは財務リスクであり、長期的な受益者の利益を守るため、積極的に対応する責任がある」と述べ、化石燃料産業が抱えるリスクとその長期的影響について警鐘を鳴らした。また、基金の脱炭素化戦略には、再生可能エネルギーや気候対策への大規模な投資拡大が盛り込まれており、これにより基金の保有資産は過去数年で3倍近くにまで成長している。
本方針は、特に透明性の低いプライベート・エクイティ業界における気候リスクの管理を強化する重要な一歩であり、350NYCやシエラクラブなどの環境団体からも支持されている。
【参照ページ】
(原文)NYC Comptroller Lander Proposes Excluding Future Private Markets Investments in Midstream and Downstream Fossil Fuel Infrastructure by the New York City Retirement Systems
(日本語参考訳)ニューヨーク市ランダー会計監査官、ニューヨーク市退職年金制度による中流および下流の化石燃料インフラへの今後の民間市場投資の除外を提案