SBTi、建築セクター向けに1.5℃シナリオに整合する脱炭素化フレームワークを発表

8月28日、SBTi(Science Based Targets initiative)は、建築セクターに関わる企業や金融機関向けに、フレームワーク(BUILDINGS SECTOR SCIENCE-BASED TARGET-SETTING CRITERIA)を発表した。このフレームワークは、建築業界が現在の気候変動の課題を克服し、ネットゼロの未来を創造するために、1.5°Cシナリオに整合した排出削減目標を設定している。

建築セクターはエネルギー関連排出の4分の1以上を占めており、また気候危機の影響も強く受けている。SBTiの今回設定された建築セクター向けの基準では、気候変動による壊滅的な影響を防ぐために企業がその役割を果たせるようにするため、「建築物全体へのアプローチ」(すべてのエネルギー消費と漏出などの逃走性排出を対象とする)をとっている。

この基準に従う際に、建築バリューチェーンに関わる企業や金融機関が取るべき4つの主要な行動は以下の通りである。

化石燃料の導入を停止する:化石燃料を使用した暖房・調理・発電・給湯設備の設置を遅くとも2030年までに中止することを公約する。

使用時排出量の削減:使用時排出とは、建物のエネルギー使用に伴う排出のこと。SBTiは、Carbon Risk Real Estate Monitor initiative(CRREM)と協力して、使用時排出量の地域別算定方法を策定し、地域の電力網や建物の使用方法の違いを目標に反映させた。

先行排出量の削減:2030年までに世界の床面積は約15%増加すると予想されており、そのうちの80%近くは発展途上国で増加すると予想される。この基準では、企業に対し、原材料・製造・輸送・建設からの排出を削減する目標を設定することを求めている。

非効率な建物の改修:現在の建物の80%は、2050年まで存続すると予想されている。IEAが提示した、2050年ネットゼロ達成シナリオに合わせるには、2030年までに改修率を2倍以上にする必要がある。SBTiは、古い建物を脱炭素化するために、企業がエネルギー効率の改善に取り組むことを推奨している。

【参照ページ】
(原文)The SBTi Unveils Framework to Accelerate Buildings Sector’s Alignment with Net-Zero Targets
(日本語参考訳)SBTi、建築部門のネットゼロ目標達成を加速する枠組みを発表

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-28

    ネイチャーポジティブ経営の重要性が増大・企業に求められる対応とは?(再掲)

    ※2024年3月5日公開済みの記事に「移行計画」「ネイチャーポジティブ宣言」に関する情報を一部更新…
  2. TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?

    2025-8-20

    TCFD×TNFD統合開示ガイド:いま企業が備えるべき実務対応とは?(再掲)

    ※2025年5月28日公開済みの記事を一部更新し再掲している。 企業のサステナビリティ関連の…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-8-28

    環境省「ネイチャーポジティブポータル」開設、生物多様性回復へ情報集約

    8月18日、環境省は、生物多様性の保全と回復を目指す「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、関連情報…
  2. サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025-8-22

    サステナビリティ開示におけるタクソノミ導入と実務対応のポイント

    2025年8月8日、金融庁は、「2027年版EDINETタクソノミの開発案」を公表した。これは、I…
  3. 2025-8-19

    PR【対談&ワークショップ】第一生命が語る「ESG開示」と「企業価値向上」

    毎回満員御礼でご好評をいただいているESG Journal 会員向けのESG Journal …

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る