2月20日、クローズドループ電池材料ソリューション・プロバイダーのAscend Elementsは、新たな株式投資で1億6200万ドル(約243億円)を調達したと発表した。本資金は、ケンタッキー州に100万平方フィートの持続可能なリチウムイオン工場を新設するための支援に充てられる。
2015年に設立されたマサチューセッツ州ウェストボローに本拠を置くAscend Elementsは、EVバッテリーのリサイクルからリチウムイオン電池前駆体(pCAM)と正極活物質(CAM)の商業規模生産まで、クローズドループ型電池材料ソリューションを提供している。同社は、使用済みリチウムイオン電池から新しい正極材料を製造しており、現行の方法よりも効率的な独自技術を活用することで、低コスト、性能向上、排出量削減を可能にしている。
Ascend Elementsによると、ケンタッキー州ホプキンスビルを拠点とする新プロジェクト「エイペックス1」は、2025年初頭に開業予定で、北米初の持続可能なpCAM製造施設となり、年間最大75万台のEV向けに持続可能なpCAMとCAMを生産する。本プロジェクトは、米国エネルギー省と超党派インフラストラクチャー法から一部支援を受けている。
新たな資金調達ラウンドの主要投資家には、ジャスト・クライメート、クリアビジョン・ベンチャーズ、IRONGREYが含まれる。2023年9月にDecarbonization Partners、テマセク、カタール投資庁が主導した5億4200万ドル(約816億円)の資金調達ラウンドに続き、今回の新たなエクイティファイナンスにより、同社の12ヶ月間の資金調達総額は7億400万ドル(約1,060億円)に達した。
【参照ページ】
(原文)Ascend Elements Raises Additional $162 Million to Build Sustainable Lithium-Ion Battery Materials in United States
(日本語参考訳)Ascend Elements、米国新工場建設に向け240億円超を調達