EU加盟国閣僚級のEU理事会と欧州議会、CSRD改正で2年の延期合意

EU加盟国閣僚級のEU理事会と欧州議会、CSRD改正で2年の延期合意

2月7日、EUの企業サステナビリティ報告指令(CSRD)に関する重要な政治的合意が達成された。EU加盟国閣僚級のEU理事会と欧州議会は、新たに策定されたセクター別欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)に基づく開示の開始時期を2年遅らせることで合意した。

CSRDは、企業による持続可能性情報の開示を規定する指令である。2023年7月に予定されていたセクター共通のESRSの策定に加えて、EFRAG(欧州財務報告諮問グループ)はセクター別ESRSとEU域外企業向けESRSの策定にも取り組んでいた。しかし、これらの基準の策定には時間がかかり、期限に間に合わない可能性が浮上した。

そのため、CSRDの適用期限を2024年6月30日から2026年6月30日にまで2年間延期することが決定された。この延期により、CSRDの開示義務を負う企業は、2023年7月に発表されたセクター共通ESRSに集中して開示することができるようになる見通しである。

今後は、EU加盟国閣僚級のEU理事会と欧州議会の間での立法手続が行われることになる。EUの持続可能性報告に関する規制の変更が、企業の持続可能性開示に与える影響について注目される。

【参照ページ】
Council and Parliament agree to delay sustainability reporting for certain sectors and third-country companies by two years

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る