1月17日、ダボス会議は、今年で20年目を迎えるカナダの出版社Corporate Knightsによる「世界で最も持続可能な10社 (Global 100 Index)」を発表した。本ランキングでは、再生可能エネルギー、エネルギー効率、循環型経済などのグリーン・ソリューションへの投資を増やしているトップ企業が明らかにされている。
本ランキングは、銀行、公益事業、鉱業、石油・ガス、製造業など38の産業グループに属する企業を25の評価基準に基づいて格付けする。セクターの特性を考慮し、特定の指標に異なるウェイトを適用している。持続可能な収益と持続可能な投資は重要な指標であり、その他にも性別や人種の多様性、CEOの給与対従業員平均、持続可能なパフォーマンスに基づくCEOのボーナス、納税額、従業員年金への拠出などが含まれる。
環境、社会、ガバナンス(ESG)の総合指標では、Global 100のスコアが同業他社を大きく上回っている。例えばGlobal 100企業の79%はサステナビリティに連動した給与を支給している。
一方、人種の多様性は、Global 100社でも、より広範な企業全体でも、引き続き遅れている。Global 100企業の取締役のうち、人種的に多様な取締役は全体の10%に対し、13%に過ぎなかった。
本ランキングでは、上位企業は投資の55%を持続可能なプロジェクトに割り当てており、前年の47%から上昇した点についても言及。一方、年間売上高が10億米ドル(約1,500億円)以上の上場企業全体では、持続可能な投資はわずか17%に過ぎない。また、2024年のGlobal 100社は、2022会計年度には収益の51%を持続可能な資源から得ており、前年の50%から増加している。これは、より広範な企業全体ではわずか16%であることと比較している。
2024年ランキングのトップに輝いたのは、シムズとブランブルズのオーストラリア企業2社。今年1位のシムズは30カ国で金属スクラップをリサイクルしており、ブランブルズは世界中で再利用可能なパレットやコンテナをレンタルしている。両社とも、持続可能な収益と持続可能な投資で100%のスコアを獲得している。
28位にランクインしたイタリアのエネルギー企業ERG SpAは「ピボット賞」を受賞。ERGは、2023年までの半分の期間で、黒字からグリーンへの複数年にわたる移行を完了した。ERGは2013年に石油資産を売却し、2022年にガス資産の売却を発表したが、イタリアの独占禁止法規制当局によって阻止された。同社は最後の非再生可能資産を売却するために努力を重ね、最終的に2023年6月にガス火力発電所をAchernar Assetsに売却した。
日本からは、エーザイ、リコー、シスメックスの3社がランクインした。昨年まで6年連続でランクインしていた積水化学工業は圏外となった。
【参照ページ】
(原文)The Global 100 list: How the world’s most sustainable corporations are driving the green transition
(日本語参考訳)ダボス会議、「世界で最も持続可能な企業100社」発表