IFC、20億ドルのソーシャルボンド発行—新興国の低所得層を支援

1月15日、国際金融公社(IFC)は、3年間のソーシャルボンドを発行し、20億ドルを調達した。このボンドはIFC史上最大規模であり、超国家的機関による米ドル建てソーシャルボンドとしても過去最大である。調達資金は、新興国における低所得層支援に充てられる。

今回の発行では、総額110億ドルに上る注文を記録し、IFCの単一発行として最大規模のオーダーブックとなった。この資金は、保健、教育、食料安全保障などの分野で脆弱な地域社会を支援するプロジェクトに活用される予定だ。

「ソーシャルボンド原則」に完全準拠

発行はIFCが新たに策定したソーシャルボンドフレームワークに基づいており、Sustainable Fitchによる「優秀」評価を受けた。このフレームワークは、国際資本市場協会(ICMA)のソーシャルボンド原則に完全に準拠している。

地域と用途の詳細

調達資金は、クリーンな飲料水や衛生設備といった基本的なインフラ整備、女性起業家支援、中小企業への融資など、幅広い分野に活用される。地域別では、欧州・中東・アフリカが60%、アメリカが24%、アジア太平洋が16%を占めた。

【参照ページ】
(原文)IFC Issues Record $2 Billion Social Bond to Support Low Income Communities in Emerging Markets
(日本語参考訳)IFC、新興市場の低所得コミュニティを支援するため、過去最高の20億ドルのソーシャルボンドを発行

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(前編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  2. 2025-8-14

    特別対談:TISFD運営委員・木村武氏 × シェルパCSuO中久保菜穂 「サステナビリティ情報開示の新潮流:TISFDが示す設計思想と、日本企業の対応意義を問う」(後編)

    本記事は、ESG Journal を運営するシェルパ・アンド・カンパニー株式会社のCSuOが、サス…
  3. 【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    2025-8-6

    【新着】ESRS改訂の全体像と今後への示唆ートピック別の変更点の整理ー

    ※本記事は、2025年7月31日時点の情報を元に作成している。今後の動向により内容は随時更新される…

ピックアップ記事

  1. 2025-9-16

    セブン&アイHD、TCFD・TNFD統合開示を公表 財務インパクトの試算と自然資本分析も深化

    9月8日、セブン&アイ・ホールディングスは、「気候・自然関連情報報告書―TCFD・TNFD統合開示…
  2. ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    2025-9-15

    ESGフロントライン:米SEC委員長がサステナビリティ開示基準へ懸念を表明

    ※本記事は、ESG Journal編集部が注目のニュースを取り上げ、独自の視点で考察しています。 …
  3. 2025-9-12

    ISOとGHGプロトコル、温室効果ガス基準を統合へ 世界共通言語の構築目指す

    9月9日、ISO(国際標準化機構)とGHGプロトコルが、既存のGHG基準を統合し、新たな排出量算定…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る