1月16日、世界的な商品取引会社であるTrafiguraは、エネルギー大手オキシデンタル(Oxy)のDAC(Direct Air Capture)関連子会社である1PointFiveと、同社の産業用DAC施設であるストラトスから生産される炭素クレジットの事前購入に関する新たな合意を発表した。
スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム(WEF)年次総会で発表された本契約は、TrafiguraがFirst Movers Coalition(FMC)の創設メンバーとしてのコミットメントに基づく最初の取引となる。Trafiguraは昨年のWEF総会で、2030年末までに少なくとも50,000トンの二酸化炭素除去クレジットを購入することを約束した。
FMCはCOP26気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において発足した、排出削減が困難な分野に対処するクリーン技術の早期市場創出に取り組む企業連合である。本連合は、2030年までに達成すべき主要な先進的購入コミットメントを設定することで、ニア・ゼロ・カーボン・スチール、アルミニウム、海運、トラック輸送、航空、および先進的な二酸化炭素除去ソリューションを含むクリーン・テクノロジーの拡大と商業化を支援する。
DAC技術は、IEAがネット・ゼロ・エネルギー・システムへの移行における重要な炭素除去オプションとして挙げているもので、大気中から二酸化炭素を直接抽出して原料として利用したり、貯蔵と組み合わせて永久的に除去したりする。昨年発表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の画期的な気候変動緩和研究によると、温暖化を1.5℃に抑えるシナリオには、今後数十年にわたって年間数十億トンに拡大する二酸化炭素除去方法が含まれており、DACはその大部分を占める可能性がある。
CO2を回収・貯蔵するソリューションのほとんどは初期段階にあり、DACを含め、現在のところ規模が限られている。1PointFiveは現在、テキサス州エクター郡にSTRATOSを建設中で、完全稼動時には年間50万トンのCO2を回収する世界最大のDAC施設になると見込んでいる。
両社によると、Trafiguraによるクレジットの先行購入は、1PointFiveのCDRクレジットの採用を支援し、排出削減が困難な産業が排出量に対処できるよう支援する。
【参照ページ】
(原文)1PointFive and Trafigura announce Direct Air Capture carbon removal credit agreement
(日本語参考訳)Trafigura、DACプロバイダーの1PointFiveと炭素クレジット事前購入契約を締結