12月11日、国際的な携帯電話通信業界団体GSMアソシエーション(GSMA)は、英国外務・英連邦・開発省(FCDO)と提携し、人道上の課題に対処するためのGSMAイノベーション基金を立ち上げることを発表した。
同基金は、中低所得国における人道的課題に対処するため、デジタル技術を活用した新たなソリューションのテストと支援を行うため、最高25万ポンド(約4,500万円)までの助成金と、追加的な非金融的・技術的支援を提供する。人道上の課題には、食糧不安、避難民、洪水、地震、台風などの自然災害が含まれるが、これらに限定されるものではない。
さらに、同基金は、AIやIoTなどのフロンティア技術を活用して人道的課題への備えや対応を改善するソリューション、人道支援やサービス、救命情報へのアクセスを通じて国内避難民や難民を含む危機的状況にある人々のニーズに対応するソリューション、あるいは人道的課題に対応するために新たな文脈で適応または複製できる既存のイノベーションに関心を寄せている。
GSMAのイノベーション・ファンドはこれまで、非営利団体や非政府組織を支援してきたが、本基金は、新興企業を含む営利目的の中小企業や成長企業に焦点を当てる。営利企業に特化することで、GSMAは新たな人道的イノベーションを支援し、官民パートナーシップを可能にする独自の専門知識を活用し、これらのイノベーションから危機的な影響を受けたコミュニティ、人道セクター、デジタル・モバイル業界の関係者に有益な洞察と証拠を生み出すことを目指す。
本基金は、アフリカ、中東、南・東南アジア、太平洋地域、カリブ海地域、ラテンアメリカの政府開発援助(ODA)を受けられる国で実施されるプロジェクトのみを対象とする。プロジェクトは、2024年2月12日(月)まで募集する。
【参照ページ】
(原文)THE GSMA LAUNCHES ITS NEWEST INNOVATION FUND TO ADDRESS HUMANITARIAN CHALLENGES
(日本語参考訳)GSMA、人道課題解決のためのイノベーション基金設立