水素電気航空新興企業ZeroAvia、約170億円を調達

水素電気航空新興企業ZeroAvia、約170億円を調達

11月28日、水素電気航空ソリューションの新興企業ZeroAviaは、1億1600万ドル(約170億円)の調達を発表した。調達資金はゼロエミッションの商業航空を可能にする同社の取り組みを進めるために使用すると述べた。

2018年にカリフォルニアで設立されたZeroAviaは、航空機用の水素電気エンジンを開発している。2025年末までに9~19席の航空機で航続距離300マイル、2027年までに40~80席の航空機で最大航続距離700マイルをサポートするエンジンを提供する見込みである。同社は、FAAとCAAから3つのテストベッド機でエンジンをテストするための実験証明書を取得し、重要な飛行テストのマイルストーンに合格した。

同社は、今回の資金調達により、同社初のゼロ・エミッション航空機用エンジンの認証取得への道のりを加速させ、より大型の航空機向けにクリーン推進技術の規模を拡大する研究開発を進めるとともに、英国におけるZeroAviaの成長計画を支援すると述べた。

UK Infrastructure Bankと共同リードのAirbus、Barclays Sustainable Impact Capital、NEOM Investment Fundが本ラウンドを主導した。Breakthrough Energy Ventures、Horizons Ventures、Alaska Airlines、Ecosystem Integrity Fund、Summa Equity、AP Ventures、Amazon Climate Pledge Fundも資金調達に参加した。 

英国は、2050年までに航空の脱炭素化を目指しており、この10年間に英国の空港間を飛行する新しいクリーンな推進技術の開発支援を進めている。航空は、脱炭素化が最も困難なセクターのひとつでもあり、英国を発着する国際線および国内線の旅程から3,800万トン以上のCO2に相当する二酸化炭素を排出している。 2050年には、英国の炭素排出量の約4分の1が航空から排出されると予測されている。

現在、多くのイニシアティブが、持続可能な航空燃料(SAF)のような、より迅速なセクターの脱炭素化を可能にする分野を対象としているが、水素は、カーボンフリーの方法で製造される可能性があり、そのエネルギー密度の特性から、業界の一部では、より有望な長期的解決策とみられている。

【参照ページ】
(原文)ZeroAvia announces completion of $116m Series C funding round
(日本語参考訳)水素電気航空新興企業ZeroAvia、約170億円を調達

関連記事

“ホワイトペーパーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. 2024-7-23

    シェルパ、東洋経済新報社とシステム連携契約を締結

    7月23日、シェルパ・アンド・カンパニー株式会社が開発・提供する企業向けESG情報開示支援クラウド…
  2. 2024-7-17

    GRI、新たにCSRD/ESRS開示のためのサポートサービスをリリース

    7月10日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新しいGRI-ES…
  3. 2024-7-17

    JCI、1.5℃目標に整合する2035年目標を政府に求める。216団体が賛同

    7月8日、気候変動イニシアティブ(JCI)は、「1.5度目標と整合する野心的な2035年目標を日本…
ページ上部へ戻る