9月21日、全米25州・準州知事が加盟している米国気候同盟は、2030年までにヒートポンプの設置台数を合計で4倍に増やすなど、建物からのCO2排出削減に向けた新たなコミットメントを発表した。
米国気候同盟は、2030年までに2,000万台のヒートポンプ導入することに合意。ヒートポンプ導入は、アライアンスメンバーの目標である建築物の脱炭素化を推進するものであり、可能な限り早期にゼロエミッションを達成し、パリ協定の排出目標に沿ったペースで既存の建築物からの排出削減を加速させるものである。建物からの直接・間接排出は、米国のGHG排出の30%以上を占める。ヒートポンプは、エネルギー効率の高い冷暖房を提供し、家庭や企業からの排出削減効果を高める。
米国気候同盟は、脱炭素化への取り組みを推進するため、以下の事項にも合意した。
- ゼロエミッション・ビルディングへの公平で予測可能な移行のための積極的な計画支援
- ゼロエミッションの建築基準や規格の策定を支援するなど、長期的な脱炭素目標の達成に向け、新しい建築物が先導的な役割を果たすような行動の推進
- コストとエネルギー負担が不均衡な低所得世帯に向けた省エネ電力改修支援
- エネルギー価格の変動を緩和し、送電網の信頼性を高め、気候変動への耐性を促進する革新的なソリューションの追求
- 社会的支援が必要な地域社会に対し、建物の脱炭素化から得られる利益の40%以上を移転
- クリーンエネルギーへの移行を支えるための必要な労働力を構築し、高賃金でキャリアパスのある雇用の創出
- インフレ削減法(IRA)およびインフラ投資雇用法(IIJA)に基づく新たな連邦基金およびプログラムの気候変動に対する便益の最大化
- 排出削減の取り組みを通じた模範の提示
【参照ページ】
(原文)U.S. Climate Alliance Announces New Commitments to Decarbonize Buildings Across America, Quadruple Heat Pump Installations by 2030
(日本語参考訳)米国気候同盟、ヒートポンプ導入量4倍目標を発表。全米不動産の脱炭素化を推進