9月26日、気候ソリューションに特化した投資ビジネスを展開するJust Climateは、自然気候ソリューションに特化したビジネスに世界規模で資本を誘導し、最高の気候インパクトと魅力的な財務リターンを生み出すことを目的とした、新しい自然気候ソリューション(NCS)戦略の立ち上げを発表した。
アル・ゴア元米国副大統領が会長を務める持続可能性に特化した投資会社ジェネレーション・インベストメント・マネジメントが2021年10月に設立したJust Climateは、緩和が困難なセクターや地域のプロジェクトや企業への投資に注力することでインパクトをもたらすと同時に、適切なリスク調整後リターンを提供することを目指している。本ファンドは、エネルギー、運輸、産業、建築などの分野における触媒的な気候変動対策と、食料、農業、海洋などの自然気候変動対策を対象としている。
同ファンドは元々、食料、農業、海洋の自然気候ソリューションにも焦点を当てていたが、これまではこの分野に特化した戦略は持っていなかった。
新戦略の立ち上げは、Just Climateが最近発表した、その第一号ファンドであるClimate Assets Fund Iの資金調達額が15億ドル(約2,355億円)に達したことを受けたもので、当初の目標額10億ドル(約1,570億円)を大幅に前倒しで達成した。
気候変動に関する政府間パネルによると、農業、林業、その他の土地利用は、世界の温室効果ガス(GHG)排出量の23%を占めている。自然の気候変動対策は、年間7ギガトン近いCO2削減効果をもたらすと予測されている。これは、パリ協定が求める2030年の純排出削減目標の約3分の1に相当する。
Just Climateの新しいNCS戦略は、森林、湿地帯、農業地域の保護、管理、回復、農業、林業、その他の土地利用による排出の回避など、自然気候ソリューションに焦点を当てたビジネスを対象とする。このファンドは、生物多様性、受粉、栄養循環、水供給の質と量に貢献しながら、物理的な商品生産から炭素貯蔵に至るまで、自然がもたらす気候関連の利益を組み合わせる。
グッドカルマ・パートナーズの創設者であるエドゥアルド・ムファレジは、投資家、経営者、起業家として25年以上の経験を持ち、プライベート・エクイティや気候変動対策の分野でも活躍している。
新戦略の発表に加え、Just Climateはブラジルに事務所を開設したと発表した。同社によると、ブラジルに事務所を構えることで、自然気候ソリューションにおいて最も高い成長機会が多く存在するラテンアメリカなどの主要地域における能力と経験を強化することができるという。
【参照ページ】
(原文)Just Climate Announces Natural Climate Solutions Strategy and Opens First International Office in Brazil
(日本語参考訳)ジャストクライメート、自然気候ソリューション戦略を発表、ブラジルに初の海外事務所を開設