CBI、低炭素建築物基準を公開。スコープ3も評価対象に

9月7日、国際グリーンボンド基準策定NGO気候債券イニシアチブ(CBI)は、「気候債券建築物基準2.1」を公開した。気候再建低炭素建築物基準(CBS)は、2012年に初めて策定されたもので、既存建築物の運転時の排出量削減を目的としている。改訂案となる気候債券建築物基準2.1は、基準内の「新しい建築物」の範囲を更新し、EUタクソノミーを取り入れたもので、現在公開協議中である。

基準策定時に考慮された基本要件は、基準を満たすための取引コストが低いこと、既存の建物への融資に適用できることであった。基準策定以降、パリ協定によって排出量制限の必要性は増していることに加え、世界中でサステナビリティ・スキームの数が大幅に増加している状況を受け、改訂案では、対象となる資産、商業用・住宅用を問わず建築物投資に関するプロジェクトで、ライフサイクル全体を評価に加える。新築不動産に関してはスコープ3まで含めた総量での基準を、既存不動産の改修ではスコープ3まで含めた原単位での基準を定めた。新築不動産では、化石燃料を活用したエネルギー利用ゼロの他、EV充電設備の導入も必須となる。

本改訂に合わせ、スコープ3の考え方も整理。不動産デベロッパーではカテゴリー1、2、12、不動産管理会社ではカテゴリー1、不動産オーナーではカテゴリー1、2、13がそれぞれ対象となる。

新築不動産では、化石燃料を活用したエネルギー利用をゼロにし、さらに電気自動車(EV)の充電設備が導入されていることも必須となる。

【参照ページ】
(原文)Open for Public Consultation: Expanding Low-Carbon Buildings Criteria: Focus on Embodied Emissions and Incorporating the EU Taxonomy
(日本語参考訳)CBI、低炭素建築物基準を公開。スコープ3も評価対象に

関連記事

“セミナーへのリンク"

おすすめ記事

  1. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  2. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…
  3. ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    2024-4-30

    ESG投資とは。改めて考える重要性とESG経営のメリット・今後の課題

    ESG投資の流れは国内外において拡大を続けている分野であり、注目を集めている。投資家のニーズに応え…

ピックアップ記事

  1. ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    2024-11-18

    ESGセミナー・イベント一覧(2024年11月以降)

    サステナビリティを推進には新しい知見の収集が必須。しかし、必要なセミナー情報を見つけるのに時間がか…
  2. ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント

    2024-11-18

    ISSA5000とサステナビリティ保証:企業が今すぐ始めるべき対応ポイント(再掲)

    サステナビリティ情報、非財務情報、ESGデータなど企業のサステナビリティの取り組みを示す情報は、投…
  3. 2024-11-15

    【PR】12/3 記念イベントESG評価スコア改善『S&Pに聞く!2025年に向けたCSA徹底解剖』 (オンライン)

    いつもESG Journal Japanをご覧いただきましてありがとうございます。 ESG評…

““登録03へのリンク"

ページ上部へ戻る