7月28日、マングローブ投資促進イニシアティブ「マングローブ・ブレークスルー」は国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)を前に会合を開き、40億米ドル(約5,800億円)の資金を獲得し、2030年までに1,500万ヘクタールのマングローブ林の将来を確保するための取り組みを加速させたと発表した。
マングローブ・ブレークスルーは、グローバル・マングローブ・アライアンス(GMA)と国連気候変動ハイレベル・チャンピオンがマングローブ保全に向けた世界的な統一アプローチの必要性を呼びかけ、COP27で発足した。
今回の発表では、マングローブ林のバイオマスは、推定4,350万トンのCO2を吸収し、さらに1億8,900万トンのCO2を土壌に吸収する可能性を持つことを指摘した。また、37の商業用海洋生物種に利益をもたらし、1500万人以上の暴風雨と洪水のリスクを軽減し、年間650億ドル(約9兆円)以上の財産を保護するとも述べた。
同会合では、自治体、金融、企業、慈善団体が多数出席し、議論や共同セッションが行われた。さらに、マングローブ生態系における資金の流れと重要なギャップに関する新たな分析が発表され、これらのギャップに対処するための潜在的な解決策について議論が行われた。その中で、主催者の一つであるSystemiqからは、マングローブ再生に向けたロードマップ「マングローブ・トランジション曲線」が提示された。
また、マングローブ・ブレイクスルーの優先行動に関する課題と機会についても整理された。その内容は以下の通り。
- 自然を守る
- 最良の情報と実践の活用
- 人々をエンパワーメントすること
- より広範な文脈に合わせること(地域的、文脈的に活動すること)
- サステナビリティのためのデザイン
- 統合性の高い資本の動員
マングローブ・ブレークスルーは、4つの主要な活動(マングローブのための資本の動員、インパクトとトラッキング、コンテンツとキャパシティビルディング、コミュニケーションとアドボカシー)に重点を置き、これらの活動を支援する。
今回の会合では、COP28までの短期と、COP30までの中期の詳細なロードマップが作成された。活動内容は、パイプライン、金融手段、科学とデータ、政策と政府、ステークホルダーの参画という5つの優先分野に分類された。
【参照ページ】
(原文)Scaling mangrove finance on the road to COP28
(日本語参考訳)マングローブ・ブレークスルー、COP28に向けて活動加速