英仏、生物多様性クレジット市場の拡大に向けたイニシアティブを発足

6月22日、英仏両政府は、企業が生物多様性クレジットを購入する市場を拡大し、自然回復に貢献するプロジェクトに資金を動員することを目的とした新たなイニシアティブ「英仏グローバル生物多様性クレジット・ロードマップ」の立ち上げを発表した。

生物多様性クレジットは、排出削減に焦点を当てた炭素クレジットと同様に、企業が熱帯雨林、海洋、草原などの生息地における自然保護や回復に貢献するプロジェクトに投資することを可能にすることで、生物多様性にプラスの利益をもたらす活動に資金を提供するための手段である。クレジットは環境行動を測定するだけでなく、それがどこで行われ、誰がプロジェクトを開発したかを記録する。

本ロードマップは、気候変動、自然損失、貧困などの地球規模の課題に対処し、特に発展途上国のニーズに応えることができる金融システムを育成することを目的とした、パリで開催される「新しい金融協定のためのサミット」で発表される。

本ロードマップは、生物多様性クレジットを購入する企業を支援するための世界的な取り組みを拡大する計画を定めたもので、クレジット資金調達のためのガバナンス・メカニズムに関するベストプラクティスの共有や、生物多様性の改善を確実にするモニタリング体制、先住民や地域コミュニティへの公正な所得分配などの取り組みが盛り込まれている。

【参照ページ】
(原文)UK – France Global Roadmap launched to mobilise global nature finance
(日本語訳)英仏、生物多様性クレジット市場の拡大に向けたイニシアティブを発足

関連記事

おすすめ記事

  1. 2025-7-2

    シェルパ、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)理事・小森氏をゲストにウェビナー「ISSBが示すサステナビリティ情報開示の考え方」を実施

    - ISSB基準に関する最新動向から企業価値向上に向けた戦略的情報開示についてまで、講演と対談を通…
  2. ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    2024-5-15

    ウェルビーイングとは?5つの要素から企業に求められる対応を解説

    上場企業であれば気候変動の情報開示が当たり前になってきたのと同じく、人材のウェルビーイングの実現に…
  3. CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    2024-5-7

    CSRDとは。日本企業に与える影響と今すぐできる対応を紹介。

    CSRD(Corporate Sustainability Reporting Directive…

ピックアップ記事

  1. 2025-7-3

    英・豪銀行連合、中小企業のスコープ3把握支援で新会社 50兆ドル市場開拓へ

    6月24日、英ナットウエスト・グループ、豪州ナショナル銀行(NAB)、英スタンダードチャータード傘…
  2. 2025-7-1

    カナダ年金基金、2030年までに4,000億ドルの気候投資

    6月19日、カナダの大手機関投資家であるケベック州貯蓄投資公庫(CDPQ)は、2050年ネットゼロ…
  3. 2025-7-1

    GRI、サステナビリティ報告のデジタル化を促進する新「サステナビリティ・タクソノミー」を発表

    6月19日、GRI(Global Reporting Initiative)は、新たに「GRI S…

““登録01へのリンク"

ページ上部へ戻る