6月21日、総合コンテナ物流企業のA.P. Moller – Maerskは、化石燃料を燃料とする既存のコンテナ船を、グリーンメタノールで操業可能なメタノール燃料の二重燃料船に改造する、業界初の改造計画を発表した。
今回の発表は、 Maerskが昨年発表した一連の炭素削減目標に続くものである。これには、2040年に全事業でガス排出量ネット・ゼロを達成する目標や、海上輸送船隊のコンテナ1個あたりの排出量を50%削減する目標、2030年までに完全に管理されたターミナルからの絶対排出量を70%削減する目標などが含まれている。
海運業界は、世界の温室効果ガス排出量の約3%を占めており、企業がサプライチェーンの脱炭素化を模索し、規制当局や政府が海運部門の排出量削減のための規則を導入するにつれ、気候フットプリント対応への圧力が高まっている。例えば、EUの議員たちは今年初め、海運セクターの排出量削減を義務付ける新たな規制を制定し、早ければ2025年から目標を開始することで合意した。
Maerskは、エンジンの改造に関してMAN Energy Solutionsと契約を締結したと発表した。最初の改修は2024年に予定されており、今後の船は2027年に改修される予定である。
同社は最近発表した炭素削減目標の一環として、グリーン燃料で運航できる新造船のみを発注するという原則も導入した。2021年7月に世界初のカーボンニュートラルなメタノールを燃料とするコンテナ船を発注したのに続き、メタノールを燃料とする大型外航コンテナ船8隻の発注、さらに大型船6隻の発注など、クリーン燃料船の最近の一連の発注を発表している。
【参照ページ】
(原文)Maersk to pioneer first container vessel conversion to methanol dual-fuel engine
(日本語参考訳)Maersk、グリーン燃料で航行するコンテナ船へ