デルタ航空、カーボンニュートラルの主張でグリーンウォッシュ訴訟に直面

デルタ航空、カーボンニュートラルの主張でグリーンウォッシュ訴訟を起こされる

デルタ航空は広告や宣伝活動で 「カーボンニュートラル」を提示していることに対して、環境への影響を偽っているとの主張で集団訴訟に直面している。

カリフォルニア州の裁判所に提出された訴状によると、同航空会社は広告、プレスリリース、ソーシャルメディアの投稿、機内用ナプキンを含むその他のチャネルで 『世界初のカーボンニュートラルな航空会社』と繰り返し宣伝しており、顧客がデルタ航空に乗ることによって、よりエコロジー意識の高い空の旅をし、炭素排出からの世界的移行に参加していると信じさせ、プレミアムでフライトを購入するよう導いたという。

訴状では、デルタ航空が排出量を相殺するために自主的な炭素市場への参加に依存していることは、不正確な会計処理や投機的な排出削減予測、炭素削減の永続性に関する疑問、投資がなければ発生していたであろうプロジェクトへの依存など、市場の信頼性に問題があることから、カーボンニュートラルという主張が虚偽であると述べている。

消費者や規制当局は、グリーンウォッシング(製品や事業活動の影響や持続可能性を誇張または誤解させる主張)に対する警戒を強めており、企業が環境維持に関する主張について世界的に監視の目を強めている。例えば、英国の広告規制当局は最近、ルフトハンザの広告が同航空会社の環境への影響について誤解を招くような印象を与えたと判断し、同社に対し、今後広告で環境に関する主張を行う際の根拠を明らかにするよう命じた。

デルタ航空は2020年に、クリーンエア技術の進歩、二酸化炭素排出量と廃棄物の削減、排出量のバランスを緩和するための新しいプロジェクトの設立などの取り組みへの資金提供に向けて10億ドル(約1,388億円)を投資することを発表し、同社は世界初のカーボンニュートラル航空会社を目指すとしている。

同社は、2050年までに排出量ゼロを達成するという目標を達成するためのロードマップを社員向けに発表しており、持続可能な航空燃料(SAF)への進化や、より持続可能な航空機や技術の開発に向けた取り組みに重点を置いている。

【参照ページ】
(原文)Delta Air Lines faces proposed U.S. class action over carbon neutral claims
(日本語参考訳)デルタ航空、カーボンニュートラルの主張でグリーンウォッシュ訴訟を起こされる

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