5月16日、 Global Electronics Council(GEC) は、 組織や企業がスコープ3排出量など気候への影響が少ない電子機器を特定するために、一般的なオフィス技術の温室効果ガス排出量を削減するための新たな要件を定める更新基準を発表した。
電子製品環境評価ツール(EPEAT)気候基準は、温室効果ガスの公開、科学的根拠に基づく温室効果ガス目標、再生可能エネルギーの使用、サプライチェーン内および製品使用中のエネルギー使用の削減に関する更新要件で構成されている。これにより、製造、使用、廃棄の各過程で気候変動への影響が少ない電子機器を容易に見つけることができるようになるとしている。
GECは、新基準がサプライチェーンの脱炭素化とスコープ3排出削減の問題に貢献し、サプライヤーと消費者が、製造・購入する製品について事実に基づいた意思決定をすることができるようになると述べている。
本基準は、EPEATの製品カテゴリー全体に導入され、主要な組織の持続可能性目標に沿った、より厳格な新しい要件を提供することになる。
Global E-Waste Monitorによると、2019年に発生した電子廃棄物は5,360万トンで、5年間で21%増加し、過去最高を記録したことがわかった。同報告書は、ライフサイクルが短く、修理の選択肢が少ない電子機器の消費の増加により、世界の電子廃棄物はほぼ倍増し、2030年には7400万トンに達すると予測している。
GECは、購入者の力を活用し、持続可能な技術のみが売買される世界を作ることを目的とした非営利団体である。気候変動や製品の循環性など、影響力の大きい持続可能性の問題に焦点を当て、EPEATエコラベルの管理、持続可能な技術を支援するためのその他のリソースの作成を行っている。
EPEATは、世界をリードするタイプ1のエレクトロニクス・エコラベルであり、調達担当者が重要な持続可能性の問題において影響を低減した製品を特定し選択するための無料のリソースとして機能していると述べている。プレスリリースによると、2006年の開始以来、24億個のEPEAT製品が購入され、246億ドル(約3.4兆円)のコスト削減と2億8600万トンの温室効果ガス排出量の削減をもたらしたと報告されている。
EPEATに登録された製品は、2025年末までに新しい気候基準を満たすことが要求される。製造業者はこれらの基準に向けた取り組みを直ちに開始することができ、2023年末までにEPEATレジストリを通じて基準の早期採用を証明することができるようになる予定である。
【参照ページ】
(原文)Global Electronics Council Releases Criteria to Accelerate Decarbonization of Electronics
(日本語訳)グローバル・エレクトロニクス・カウンシル、エレクトロニクスの脱炭素化を加速させる基準を発表