5月15日、サステナビリティ・テクノロジー・プラットフォームのClarity AIが発表した新レポートによると、EUの持続可能な金融情報開示規則(SFDR)の第8条に分類されるサステナビリティラベル付き投資ファンドの大部分は、グリーンウォッシュリスク低減を目的とした新しいファンド表示規則の基準を満たすことが判明した。
また同レポートによると、EU、英国、米国において、「サステナブル」と表示されたファンドが、提案されているファンド表示規則を満たすものはほとんどないことがわかった。
第8条ファンドの4分の1以上が、ファンド名にESGやサステナブルの用語を含んでいる。今回の調査では、これらのファンドのうち、新しい制度で提案された基準を満たすものはごくわずかであることが判明した。例えば、第8条ファンドの調査において、「サステナブル」(または類似の)用語を含むファンドのうち、ESMAの50%の投資基準を満たす予定のものはわずか20%であり、さらに20%は10%未満のサステナブル投資を行う予定であることを発見した。
また、EU、英国、米国におけるファンドの規制案への準拠状況を調査したところ、「サステナビリティ」を名称に含むファンドのうち、少なくとも1つの規制案の基準を満たしているのは15%にとどまり、ESG関連用語を含むファンドは59%とやや良好な結果であった。
さらに、これらのファンドのうち、複数の規制案の表示要件を満たすことができるものはかなり少ない。少なくとも1つの規制案の要件を満たした “Sustainability-“ラベルのファンドのうち、2つの規制を満たしたファンドはわずか15%、3つすべてを満たしたファンドはわずか4%であった。
Clarity AIのプロダクト・リサーチ&イノベーション責任者であるPatricia Pinaは、本レポートでは、規制当局によって解釈が異なるため、「3つの市場すべてで販売するためには名称変更や再構築が必要になる」ことを強調した。