責任あるマイカ・イニシアティブ、インドにおける公正なマイカ労働者の所得と賃金を定義

4月26日、インドでのマイカ採掘に児童労働が関与している問題の解決を目指す「責任あるマイカイニシアティブ(Responsible Mica Initiative)」は、インドでのマイカ労働者の適正な所得と賃金を定義し、消費者へのコストに与える影響は無視できるとする報告書を発表した。効果的な実施のための障壁はまだ高いものの、マイカ労働者に生活費と賃金を支払うことは、児童労働の削減と鉱山コミュニティのエンパワーメントに大きく貢献すると期待される。

本報告書では、インドの貧困と児童労働の根本的な原因は、村人が採ったマイカの価格が低いことにあると特定した。現在の価格体系の背景には、正式な手続きをしていないため、世帯が価格上昇から利益を得ることができないことや、サプライチェーンにおける透明性の欠如がある。わずかな収入を補うため、また、村での保育や学校教育がほとんどないため、親は子供を連れてマイカを採取するほかなかい状況も挙げられている。親が自分の力で家族を養えるだけの収入を得られるようになれば、子どもを働かせる必要はなくなると予想される。

BASICと公正賃金ネットワーク(FWN)による研究結果は、インドのマイカ労働者に適正な収入や賃金を支払うための障壁は依然として高いものの、マイカを使用した最終製品へのコストへの影響は最小限であることを示している。

目標とする農村部と都市部の生活所得と賃金を達成するためには、マイカ採取者に支払われる平均価格を5倍にする必要があり、2022年のデータでは、マイカの平均価格を1キログラムあたり9インドルピーから41インドルピーに引き上げることになる。マイカに公正かつ高い価格を支払い、市場の正式化や責任ある職場慣行の実施にかかるコストを含めると、化粧品、塗料、自動車用塗料や部品(従来型自動車やEVのバッテリーを含む)など、マイカを使用する一般的な最終製品のコスト上昇は、ほとんどの場合、0.1%未満にとどまると予想される。

マイカ採取者が協同組合を組織し、JSMDC(Jharkhand State Mineral Development Corporation)がそのマイカを購入し、生活収入または賃金相当額でオークションにかけると、スクラップ(ディブラ)マイカ部門への課税による州の総収入は、年間1300万米ドル(約18億円)以上と見積もられている。

【参照ページ】
(原文)RESPONSIBLE MICA INITIATIVE PUBLISHES LANDMARK REPORTS DEFINING FAIR MICA WORKER INCOMES AND WAGES IN INDIA AND CONCLUDING NEGLIGIBLE IMPACT ON COSTS TO CONSUMERS
(日本語訳)責任あるマイカ・イニシアティブ、インドにおける公正なマイカ労働者の所得と賃金を定義。消費者のコストに与える影響は無視できるとする報告書を発表

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