4月4日、Climate Bonds Initiative(CBI)は、気候変動1.5℃目標の達成に向け、政府がグリーンファイナンス資金を活用・動員するための政策レポートを発表した。
CBIの新しい主要政策レポート「1.5℃に向けた101の持続可能な金融政策」は、世界中の政策立案者が、世界経済のネット・ゼロの未来への移行を迅速、強固、かつ信頼できる形で促進する方法をまとめている。
IPCCの第6次評価報告書は、気候変動への投資ギャップを埋めるための資金が世界的に十分にあることを明らかにした。公共投資だけでは移行を実現することはできない。政策立案者は、持続可能な投資機会を求める民間資本にアクセスし、気候変動目標の達成と持続可能な開発の実現に向けた投資を行うことができる。
しかし、投資家の投資意欲とグリーン投資の機会との間にミスマッチがあるため、資本はまだ大規模に動いていない現状である。
だからこそ、政策が非常に重要となる。
本レポートによると、政策立案者は次の3つの重要な方法で、投資機会をグリーンなものにすることが可能である。
- Speed:すべての意思決定者が迅速に行動できるようにする、
- Steer:経済全体を移行に傾ける。
- Simplify:持続可能な投資を明確にし、合理化する。
「1.5℃に向けた101の持続可能な金融政策」は、あらゆる開発レベルの政策立案者が取ることのできる行動の幅を示すものである。
これらの政策は、特に新興市場経済にとって極めて重要となる。自国の経済をネット・ゼロの軌道に合わせることで、環境、社会、経済の目標を達成するための国際的な投資フローを引き寄せることができる。
大きな問題は、投資家の意欲はあっても、多くのグリーン投資に対してそのリスク許容度が低すぎることである。
政策立案者の最も重要な役割のひとつは、グリーン投資機会のリスクを軽減し、民間投資が新興の技術や発展途上の市場に流れるようにすることである。逆向きのリスク評価は、過去の実績がある高炭素資産を過大評価する可能性がある。リスク評価を再調整し、気候変動に対する回復力が適切に評価されるようにすることが重要となる。
【参照ページ】
(原文)Policymakers hold the key to unlocking capital for transition — 101 sustainable finance policies for 1.5°C
(日本語訳)CBI、政府がグリーンファイナンス資金を活用・動員するための政策レポートを発表