2月13日、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)は、食料・農林業関連分野での気候シナリオ分析と移行計画に関する補足ガイダンスを発表した。
企業が気候変動への対応とその結果を報告するために厳格なアプローチを採用する中、効果的な移行計画が重要な戦略的能力となり、その計画策定に際してシナリオ分析を中核とした情報提供が行われている。
シナリオ分析は、 気候変動の様々な起こりうる未来の下で企業がどのように行動するかを理解し、リスクと機会を適切に評価し、移行計画を策定し、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の勧告に沿った報告を行うために不可欠なツールである。WBCSDは、食品、農業、林業の主要企業13社を招集し、一連の新しい気候変動シナリオを開発した。本シナリオはオンラインの気候シナリオ・ツールで利用でき、ユーザーは特定の変数(例:商品と地域)をナビゲートし、出力データ(例:生産、価格、排出量)を比較、視覚化、ダウンロードできる。
気候シナリオツールには、シナリオの使用例や、シナリオ分析が気候変動に関連するビジネス上の意思決定、戦略、活動にどのように役立つかを説明した「シナリオ分析および適用ガイド」が付属している。
シナリオ分析・活用ガイドの付属書として、移行計画と気候シナリオ分析がある。食品、農業、林業は、気候シナリオツールの開発とその移行計画への応用から学んだことを提示し、気候移行計画の策定とシナリオ分析がどのように情報提供に使用できるかを説明している。
本ガイドは、移行計画を策定するための要件と課題、およびその設計と実施に含まれるべき主要な構成要素についてハイレベルな視点を提供している。本ガイドの対象者は、特にシナリオ分析を活用した移行計画の策定を検討しているビジネス部門や関係者である。
【参照ページ】
(原文)Transition planning and climate scenario analysis: Food, Agriculture and Forest Products
(日本語参考訳)WBCSD、食料・農林業関連分野での気候シナリオ分析と移行計画に関する補足ガイダンスを発表