2月16日、三井住友信託銀行は、540 社の国内企業を対象に、人的資本経営と深い関係性にある従業員の「Well-being」に着目した『人的資本サーベイ』を実施し、結果を発表した。
サステナブル経営への世界的な関心の高まりから、企業は財務だけではなく財務・非財務の双方から社会課題の解決を迫られ、投資家はESG投資を積極化している。このような環境下、昨今では、人材版伊藤レポート、人的資本可視化指針等の各種指針・ガイドライン公表も背景に、「社会(S)」への取り組みである人的資本経営への注目度が高まっている。また、資産所得倍増プランでは企業における雇用者の資産形成支援の重要性に言及している。
同社は2017年以降ガバナンスサーベイを毎年実施し、参加企業が財務・非財務の双方から自社の課題を把握することに寄与している。本年度実施したガバナンスサーベイ2022(1,879 社が参加)では、従業員エンゲージメント向上への取り組みについて、投資家は企業以上に「Well-being 視点の取り込み」が有効であると考えていることが判明した。
今回のサーベイの調査結果サマリーは以下である。
Well-being 全体について方針と施策のバランスは方針先行(施策不足)の可能性あり
各社の方針と施策の取組み状況をそれぞれ定量化、双方のスコアギャップ算出結果から、方針先行(施策不足)の可能性がある企業の割合は 78%に上った。方針と施策のバランスに加え、同業種平均に対する高低により4タイプへと分類。同業種平均を下回り、施策の取組み状況不足の可能性があるタイプが最多43%となった。
会社の重視したいキャリア・アンカー(従業員の価値観)は業種により顕著な差
企業規模と業種の違いにより回答結果に差があり、特に業種ではその差が顕著に見られた。業種による差は、経営戦略上必要とする人材要件(事業特性)に起因するものと推察される。
【参照ページ】
『人的資本サーベイ』の実施について