メタン排出検知プラットフォームKuva、約14.3億円を調達

メタン排出検知プラットフォーム「Kuva」が約14.3億円を調達

1月25日、産業用IoTプラットフォームのKuva Systemsは、1130万ドル(約14.7億円)のシリーズA資金調達ラウンドを完了したと発表した。本資金は、石油・ガス会社がメタン排出の監視と削減に使用するプラットフォームの成長を加速させることを目的としている。

Kuvaは、完全自動化された画像ベースの連続的なメタン監視・定量化ソリューションを提供している。低コストのカメラを使ってメタンの放出場所をピンポイントで特定し、分単位の測定に基づいて流量を定量化するこのソリューションにより、上流および中流の石油・ガス企業は業務を改善し、ESGおよびメタン原単位の目標を達成することができる。

近年、気候変動への対策として、メタンガスの排出量削減が中心となっている。メタンは、農業、化石燃料の生産と輸送、石炭採掘、埋め立てなどの活動から排出される非常に強力な温室効果ガスであり、CO2の80倍もの温暖化効果があるとされている。しかし、大気中での寿命がCO2の50〜100年に対し、メタンは10〜12年と非常に短いため、近い将来メタンの排出を削減すれば、今後数年間で気候変動に大きな影響を与えることができる。

エネルギー企業は、各国がメタン排出量の削減目標を掲げる中、自社の事業活動から排出されるメタンに対処するよう、ますます圧力を受けている。2021年のCOP26で、米国とEUは、2030年までに世界のメタン排出量を2020年比で少なくとも30%削減することを目指す「グローバルメタン誓約書」を発表した。発足以来、本誓約は130以上の署名国に達し、世界のメタン排出量の半分以上を占めるに至っている。

今回の資金調達は、気候変動対策ファンドのクライメート・イノベーション・キャピタルとテクノロジー企業で既存投資家のドレーガーが主導し、既存投資家のLaunchpad VenturesとClean Energy Venture Groupが参加したものである。

【参照ページ】
(原文)Kuva Systems, the leading Industrial IoT methane emission detection platform, announces $11.3M Series A investment to accelerate Greenhouse Gas reductions.
(日本語参考訳)メタン排出検知プラットフォーム「Kuva」、約14.3億円を調達

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