1月19日、世界経済フォーラム(WEF)は2023年年次総会において、ブルーカーボン再生と海洋保全の取り組みを拡大する野心を支援するため、インドネシア政府と新たなパートナーシップに調印した。
本パートナーシップは、世界中で急速に高まっている高品質のブルーカーボン・クレジットとプロジェクトに対する需要に応え、世界の様々なセクターのブルーカーボン関係者をつなぐために、フォーラムの海洋行動計画によって開始されたシリーズの第一弾となる。
ブルーカーボン(海洋生態系によって捕捉・隔離された炭素)は、1エーカーあたり熱帯雨林の最大5倍の炭素を蓄積する。また、マングローブ林・海草・塩性湿地などの生態系は、嵐などの自然災害から海岸線を守るために重要であり、魚資源の養殖場として、特に沿岸地域社会に重要な食料源と雇用を提供している。
世界最大の群島国家であるインドネシアは、ブルーカーボンや持続可能な海洋経済におけるリーダーであり、世界最大のブルーカーボン資源を有している。同フォーラムは2022年11月、当時G20の議長国であったインドネシア政府とともに、地域の持続可能なブルーエコノミーを迅速に推進するための「Ocean 20(O20)」の立ち上げを発表した。
フォーラムとインドネシアのパートナーシップは、ブルーカーボンに関心を持つセクターやイニシアティブを超えたステークホルダーを集める。これは、インドネシアの国家優先事項を詳述した国家ロードマップをさらに発展させ、調整するものであり、ひいては戦略的な資金調達の触媒となるものである。
WEFは、ブルーカーボンの取り組みを拡大し、各国の気候変動に関する野心の達成を支援し、既存の取り組みを調整するための活動を続けていく。また、世界経済フォーラムとブルーカーボンに取り組む世界有数の組織が協力して最近発表した「高品質ブルーカーボン原則とガイダンス」の実施を支援し、ブルーカーボン・プロジェクトに投資する方法を探している企業とも連携していく予定である。
【参照ページ】
(原文)World Economic Forum Signs Partnership with Indonesia on Blue Carbon to Support National Climate Goals
(日本語参考訳)世界経済フォーラム、インドネシアと「ブルーカーボン」に関するパートナーシップを締結し、国家気候目標を支援